破滅型人間

ジムから帰ると、携帯に友達からの着信があった。
この友達は元料理人で今は料理のコンサル系の会社を経営している。
元格闘家で奥さんもいる。
グルメでもあり、もっぱらのもつ焼き好きで、たまに飲みに行くのでまたその誘いかなと思った。
以前の無職だったときは、たまに昼間からやっている美味いもつ焼き屋に
一緒に行き、そこからさらに魚の美味い店と、はしごして飲んだものだった。
彼のペースでは俺はとても飲めないが・・・。

電話の声は上機嫌だけど、最近、寝ていると夜中に股関節に激痛が走り、
歩けなくなって救急車で運ばれたのだそうだ。
彼は以前にも、血液を固める血小板が減少しているらしく、鼻血が止まらなくなり
止め処なく出続けて、救急車で運ばれたことが数回あったこともある。
あまりにも血が止まらなくなると、口から血の塊が出てくるそうだ。

この友達は、異常なまでの酒好きだ。
以前、アル中になったことがあり、幻覚を見たこともあるほどだ。
職業柄、酒を飲むのは仕方ないのだが、よく酒屋で透明のボトルに2リットルくらい入っている
安い焼酎。
あれを買って自宅ですぐに空けてしまうほどだ。
仕事の事務所も家なので、昼間から飲んでいる時もあるみたいだ。
一緒に飲みに行っても、俺も飲むほうなのだが友達はペースが最後まで落ちない。
彼には、ほどほどにということがないのだ。

ジムのキックの試合に連れて行ったことがあったのだが、
その時も目が充血していて、呂律が回っていなくて飲んできたみたいだった。
病院に運ばれて、色々な検査をした結果。
なんと、肝硬変が進んでいるとのことだった。
それや酒の飲みすぎが原因で、色々な抵抗力が落ちて
血小板やら今回の股関節痛やら、体のあちこちに異変が起きているようだ。

前から酒はほどほどにしなよ、と何度も言っているのだけど
俺は好きなことをして我慢しないで、短命でもいいから人生を楽しむんだ。
と言って聞かない。
そんな痛い思いをしても、止める気にもならない。
会社も体調的に、あと5年できたらいいなと恐ろしいことを平気で言う。
食事を変えたり、酒を控える気はサラサラないのだ。
多分、身近なカミさんはもっと言っていただろうけど、彼の性格からして
もうあきらめているのだろう。
元々不良だったし、何事にもほどほどにというのがなく、性格的に破滅型だと思う。
以前、浮気をしていた時も破滅型的な浮気だった。
留置所に拘留されたり、新宿駅でやくざと大喧嘩をしたり、
普通では考えられないようなかなり堂々とした浮気をしたり
破天荒な彼はエピソードには事欠かない人物だ。
以前、俺が車の事故でケツ持ちの右翼が出てきたときも
俺が直談判してやると言ったほどの熱い奴だ。

医者からは、そう長い人生にはならないと言われたらしく
それでも変える気はないと言う。
俺も、仲良しの友達なのでなんとかしたいのだが
この性格なので、言っても聞かずにあまりにも難題だ。
死に急ぐと言うか、破滅型の人間は自己完結しているので聞かないのだ。

俺とは違って、バイタリティーもあり人生を濃く生きている友達。
だからこそ、人生はもう堪能したと思うのだろうか。
俺の場合は、あきらめの意味で長生きはしたくない。

肝心な電話の用件は、元カノと何年ぶりに電話で話したそうで、
友達が頼んだのだろう。俺に紹介したい子がいるから、
今度合コンをやるから来いというお誘いだった。
友達は、俺に彼女がいないのを心配して 最近彼女できた?
と会ったり電話をすると必ず聞いて心配する。
友達は、なぜか俺は彼女を作ったほうがいいと思っているみたいなのだ。
友達から見て、それで何かが俺に欠けている。
どこか、幸せではないように見えるのだろうか。
俺は一人は好きだし、最近はジムでは試合に向けての
練習に励んでいて、これでも楽しいのだが・・・。

俺はそのたびに、今はそういうのは全然だよ。
ジムも忙しくてまったく探してもいないし。
と流すのがもっぱらの対応だった。

本当は、・・・・。それどころではないのだけど
せっかくここまで心配してくれる友達のお誘いなので、行ってみようと思う。

それよか、どう酒を止めようか。
難しいなあ
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by masa3406 | 2009-05-15 20:28


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