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再会

以前、ジムに来ていた高校生から1年ぶりにメールが来た。
彼は高校を卒業して、今は大学生。
大学入学とともに引っ越した彼は、いつの間にかジムから
姿を消し、俺ともすっかり疎遠になっていた。
ジムにいた当時は、センスがいい彼をボクシングの出稽古に連れて行ったりして
かわいがっていたのだが、
若いし新生活のスタートで色々楽しいことや、
事情もあろうと俺は、彼がジムから去ったことを気にはしていなかった。
どこかで元気に大学生活を送ってくれていればいい。と思っていた。

メールには、黙って去ったことを詫びる文があり、彼なりに気にしていたようだ。

確かに同じように彼をかわいがっていたジムの人間には、
不義理だと怒っていた人間もいて、感じ方は人それぞれなようだ。

それから、入学してから有名なボクシングジムでボクシングをしていることもレスしてあり、
俺はそれが一番うれしかった。
彼は、基礎体力も運動神経もあり、キックにしてもボクシングにしても非常にセンスがよかったので、
やめてしまうのはもったいないと思っていたからだ。
また、理論的で技術を研究するクレバーさも持っていたので、
その点からも、学んだそれを無にしてしまうのはもったいないと思っていた。

出稽古先のボクシングの会長から、彼がボクシングをやりたがっていることを
小耳にはさんでいたので、もしかしたらどこかでやっているのではと
期待をしていた。

そんな彼を、ジム仲間の試合の応援に誘った。

1年ぶりに駅で再会した彼は、髪型もおしゃれになり顔は精悍になって大学生活を
満喫している様子が伺えた。
ボクシングをまじめに取り組んでいるそうで、顔も体も引き締まっていて、
すっかり女にモテそうな少年になっていた。
俺たちは、何事もなかったかのようにジムで接していたときそのままに
久しぶりの会話を楽しんだ。

ジムから正式にプロテスト受験の許可をもらったようで、それは大したものだと
俺はまた喜んだ。
なぜなら、彼のいるような大きなジムでは、生半可な実力では
プロテストを受験させてはもらえないからだ。
それと最初に、俺と通った出稽古のボクシングで学んだパンチやディフェンスの基本
こなしたスパーリングが、
今こうして点が線となって生きているのもうれしかった。

そのせいか、ボクシングジムに入会してから
すぐにスパーリングをさせてもらえたらしい。
これは、ボクシングでは異例のことで、
つまり、経験があるとみなされたということでもあった。

試合の帰りに、一緒に居酒屋に行った。
大学生活や始めた一人暮らしの生活 大学での交友関係に趣味のバイク
に将来の夢。
彼は、楽しそうに輝いた目で俺にそれらの話をした。
大学生活での戸惑いや悩みなんかも、俺も大学生の時に感じた悩みと似ていて
その体験を話したりアドバイスをしている自分に
あんな大学でも行っておいて無駄ではなかったのだな。と思った。

もし、俺が大学に大学生活や雰囲気を知らなかったら、
こうして体験を話すことはできなかっただろうし
彼の話す会話もピンと来ずに共感を示すこともできなかっただろうからだ。

卒業後に就職したい業界も具体的にかたまっているそうで、
俺が同い年の時とは精神年齢が全然違っていて
現実的で、とてもしっかりしていることに驚かされた。

そこで、大人と見込んで、俺みたいな失敗をしないように
就職のため大学生活の送り方
(体裁の整え方)の戦略的なアドバイスをしておいた。

彼が就職したい会社の社員が友人にいるので、
その人を紹介することと
プロテストに受かったら、お祝いをすることを約束して駅で別れた。

1日希望に満ちた若者と接して、なんだか親になったような気分だなあと
思ってしまった俺であった。
by masa3406 | 2010-04-01 05:44


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