お金

久しぶりの都心への電車通勤は、なかなか苦痛だ。
なぜこんなに人が多いんだというほどにすし詰めで、
さながら、家畜運搬の貨車にでも載せられているような気分にさえなる。
朝のノロノロ運転がさらにそれに拍車をかける。

会社は銀座に近いわけで、久しぶりに俺は銀座という街に勤めに来たわけだが、
風情を味わうというよりは、仕事で疲れてへとへとになりながら、
お金持ちそうな買い物客を背にしながら足早に街を後にして帰宅をするといった余裕がない毎日だ。

話は変わるが、機会があって夜のバイトの子とちょっと飯を食ったわけだが、
そこで彼女のプライベートの話になった。
彼女は23歳。
高校を卒業してから、田舎から東京に出てきてデパートで数年正社員として働いていたらしく、
その頃は手取り13万円。連日帰宅も夜23時になり、
仕事もストレスが溜まりそれは精神的にも疲れて大変な毎日だったそうだ。

夜の世界に来る子は、もともと昼の仕事をしていてこの子のようにワーキングプアーだった人が多い。
その毎日の仕事に疲れたのか、はてまたワープアな人生にくたびれ果てたのか、
リタイアして夜の仕事の世界に入って染まっていく。
今の世の中、余裕を持って食っていけて安定して続けられるだけの条件の仕事に就くことの難しさを
彼女たちの口からもあらためて感じる。

もし、そうであったのならこの世界に来ることもなく、そのまま仕事を続けていたのだろうから。

その子は、その金がなかった生活の反動からかブランド品を買うのが好きになっているようで、
今は度々散財してしまうらしい。
いろいろな話題を経て彼氏の話になったのだが、相手はなんと元客の40歳以上のおじさんなんだそうだ。
好きなのか聞いたら、タイプじゃないし気持ち悪いし全然好きじゃない。とあっけらかんと答える。

なぜ?と鈍感な俺は聞いたわけだが、当然それはお金を持っているからなのだそうだ。
マンションの家賃まで出してもらっているのだそうで、話を聞いていてなんとも悲しいような
空しいようななんとも共感できないような気分に捉われた。
まだ若いしと答えるあたりからして、彼女は自分の若さの商品価値を自覚しての話なのは言うまでもない。

若い同年代とは付き合いたくはないの?と野暮な質問をすると
今の同年代は、お金がないから割り勘で嫌なんだそうだ。
こう返されるとぐうの音も出ない。

お金ね。。。

確かに金は生きていく上では大事で、彼女の人生の価値観ではお金が最大の目的なんだろうけど
目的が手段を正当化させるような打算的な人生は、
なんだか悲しいし若者らしい清々しさを感じないものだ。
現実的で、夢も希望もない話だ。

若い時は、損をしてでも理想や夢や希望を追うのも人生なんじゃないだろうか。

少なくとも、俺にはそういう時期があった。

若いんだし、好きな男と付き合えばいいのにと思う俺はまだ蒼いのかもしれない。
この間のレスした子の話とは対照的に、こっちは聞いていてあまりハッピーな気分にはなれなかった。
笑いながら、なかなかの悪人だねえとまで言ってしまった。
大きなお世話なので、それ以上の根本的なことは一切もちろん言わなかったけど。

その考えに至るまでの発端が、実家の経済状況なのか、就職後のワープア生活から来るのかは、
何の関係もない俺の知る由もないが、
資本主義社会は、お金。お金で悲しいものだ。

俺は、貧乏でいいから仕事以外は、趣味や好きなことをして細々と人生を送っていきたいと思っている。
それで充分幸せなのだから。
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by masa3406 | 2012-02-08 21:51


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