花巻東の千葉選手の批判について思う

高校野球の甲子園大会で花巻東の2番打者 千葉選手の投手に何球も投げさせるために
投球をカットしてファールにする打法が、準決勝の試合前に審判から
『あの打法はスリーバント失敗になります。次からアウトにしますよ』と圧力をかけられて
禁止をされたとの記事を読んだ。

中高時代に部活で野球を経験している俺は、それを見て我が目を疑った。

さらにネットで彼がサイン盗みは別問題としてこの打法をことさら大げさに叩かれているのを見て、
役割や技術的な難しさを理解されることなく非難を受けることが理不尽に思えた。

その粘る打法を禁止された彼は、準決勝の延岡学園戦では粘ることができずに淡白な打撃を繰り返して、
花巻東は敗退してしまった。
まあ、準決勝の延岡学園の左腕の投球が素晴らしすぎて、たた単にそれを打てなかっただけとも言えたのだが、それは置いておいて話を進めよう。

日本高野連の高校野球特別規則には「打者が意識的にファウルにするような、いわゆる“カット打法”は、
そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある」と記されている

とのルールから、千葉選手の打法は最初から投球をカットすることありきで
振り切らない打撃で、いわばバントと同等なのでルール違反なのではないかとの指摘らしいのだが、

実際に、これをバントに近い打撃をしたらポップフライになったり
落ちる変化球をカットすることは難しく三振をしやすくなるわけで、
とてもじゃないけど確実性には乏しく、バントの類ではないことは経験者ならわかるはずだ。

これをバントの応用としてカットをしようとしても至難の業で、
振り切らなくてもポイントを後ろにして、そう何回もファールにするのは立派な技術なのだ。
やろうとしても、行うは難しで詰まってファールフライになってしまったり、ポイントを後ろに遅らせたことで、
球威に負けて三振してしまう可能性も高くなる。

これを遂行できたのは、彼の抜群のボールに当てるミートセンスと抜群の選球眼があってのことだ。
現に彼はこの大会の打率は5割と高打率なのだ。
また足の速さも50m6秒0と俊足でリードオフマンとしての資質も兼ね備える。

ボールに当てるのが天才的なことで知られる、大リーグのイチロー選手が、
わざとポイントを後ろに置いて芯を外して、天然芝のグラウンドにボテボテの死んだ打球のゴロを三遊間に転がして、
足で内野安打にする場面を頻繁に見かけるけど、技術的な原理は同じことである。

千葉選手の打順の2番の、いわばリードオフマンの役割は投手に球数を投げさせる
いやらしい打者として出塁するのは基本的な仕事であって、
彼は、ただその役割を最上級に果たしたに過ぎない。

ストライクやストライク臭い球をバットを短く持って徹底的にカットをして、ボール球を見送ってファーボールで出塁するか、打ちやすい球が来たらヒットにするのが
目的であり、これは全盛期の西武の森監督の野球では、
よく見られた光景でもあり、勝つための野球では定石とも言える戦法である。
嫌らしく粘ってボール球を投げさせて出塁して、投手にプレッシャーを与えて揺さぶりをかけるのが目的だ。

仮にこのカット打法を誰でも容易に行えるなら、負けている場面で何がなんでも出塁したい場面で、
皆この打法で粘って出塁をして、ランナーをためにかかることだろう。

いち野球経験者の端くれとして、プロ野球が大好きで長きに渡り見ている者としても、
千葉選手は技術的にも非常にいい2番打者だなあと思って見ていたものが、
世間ではこんなに批判にさらされているんだから、見方とはわからないものである。
恐ろしいとも言える。

個人的には誰でもできることではない、素晴らしい技術や才能を生かして役割を全力で全うした千葉選手
この批判に負けずに、これから先の野球人生をさらに頑張ってもらうことを願ってやまない。
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by masa3406 | 2013-08-22 06:30


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