喧嘩

今月の10日くらいに彼女と喧嘩をした。

原因は一緒に行くドライブに行くのに何時に出るかという実に些細なことがきっかけだった。
その時の彼女の相変わらずの直接的なモノの言い方に俺をカチンときて、
ちょっとその言い方はないんじゃないの?となった。

この自分の思いを正直にハッキリ言えばいいと思っているマインドは
悲しいかな繊細さがない俺の母親とそっくり同じで俺を暗澹たる気分にさせた。
家でもそういう物言いをしているらしく、デリカシーに欠ける育ちなんだろう。

それをきっかけに普段のお互いの接し方の話になり、途中から彼女が
もうわかってくれないし面倒くさいからいい。とへそを曲げて黙りこんだ。
こいつは自分の思いが伝わらなかったり理解されないと思うと、ムキになってすぐに心に蓋をして黙りこくる。

俺は感情をあらわにして怒鳴ったわけでもひどいことを言ったわけでもなく、
穏やかに思いを話しただけだ。

大人の話ができない。

そのまま重い空気の中、家まで送って別れて帰ってきた。

いつもは俺の車を見送っている彼女が、その時はじめて車を降りてそのまま憮然とした顔をして、
振り返ることもなくまっすぐに家へ向かって歩いて行ったのを今でも覚えている。

いつも降りてそのまま車を見送っているのをなんでこの人は車を見ているんだろうか?
たぶん、ルーティーンな無意識の決まりごとなんだろう。と俺は内心思っていたわけだが、
見送らないバージョンの存在に驚いたとともに
あれには彼女なりの意味があったことをその時はじめて知った。

性格がサバサバしてあっさりした奴なので、おおよそ人を別れ難くて見送ろうとか
送ってもらった感謝の気持ちをあらわすだとか、
到底、そんな人並みの殊勝なものを持ち合わせているとは思ってもいなかったので、
そんなことですら不思議に思えてしまうのだ。

ただ、今まで些細な喧嘩をしても最後は必ず見送っていたので、これはかなり怒っているぞと思った。

女性と喧嘩をしたあとはとりあえず、こちらが正しいとかどう相手が間違っているとか
正論を言っても仕方ないので、
感情的になっているのをなだめて、機嫌をまずは直してもらわないことにはどうにもならない。

とにかくまずはこちらが折れて謝るしかない。
昔の俺ならば、冗談じゃねえ。ここで謝ったら男が廃る。くらいの思いで意地を張っていたことだろう。
だが、今は自我やつまらんプライドは捨てて引っ込められるので折れることは特にどうということはない。

そこで、帰宅して落ち着いた頃にラインで謝罪の文章を送ったのだが返事がない。
前は喧嘩をした時でも、返事をくれたのでやはり相当に今回は怒っているようだ。

その翌日にもラインで呼びかけてみたけど返事はなく、女性の友達に相談をしたところ
今は放っておいたほうがいいよとアドバイスをされた。

とは言っても、プライドが高いあいつのことだ、
放置をしたらより事態を悪化させるかもしれないと思った俺は、
わりと長文の謝罪のメールを送ってみた。

臭いとは思ったけど正直にいかに悪いと思っているか
彼女を大事に思っているか今の自分の思いをしたためた。

これも今までの俺だったら、カッコつけて気恥ずかしくてやらなかったことだ。
もしそんな文章をしたためようなら、己の恥ずかしさに
身悶えしてのたうちまわってたかもしれないし、
それが友達なら大爆笑でもして、ツッコミの1つや2つでも入れていたかもしれない。

本来なら、それはおおよそ俺のキャラではないし本当は我ながらキモいことこの上ない。

自分でもそれはわかっている。

今までの俺は、女性にはシャイで自分の思いとか好きだとか感情を表現したり
口にすることはほとんどなかったわけだが、
その逆を今回はやったら、相手にどんな効果があるかをここ5ヶ月くらい自分なりに試しているのだ。

すると、不思議なことに感覚が麻痺してきて、
どれだけ好きとか相手への思いを頻繁に言えるようになり、それを文章にすることもいつの間にか平気になっていたわけだ。

そこで思うことは、女性相手には思いはどんどん正直に伝えないと損だなということだ。
男以上に女性の方が、はっきりした好きだという意思表示をされたら意識をしてしまうし
弱い気がする。

付き合っているなら、そういう言葉の積み重ねが相手の心に残っていて
喧嘩をした時に別れに直結するのを助ける緩和剤となりうると思う。

もちろん、付き合っていないターゲットなら
相手にとって自分が広い意味でストライクゾーンであること。
恋愛でもなくていいし、なんらかの好意を持っている相手への方法論の1つだ。

つまりは、今は恥ずかしいかもしれないけど、この経験が後に必ず生きるに違いないとの思いで
やっているわけでもある。
今の相手には散々、そういうことを言ってきているので、臭いメールをしようが
いまさら恥ずかしいことはなにもない。

言うなれば、旅の恥はかき捨てみたいなものだ。

また、日頃からそういうことを言えていた相手なので、
こういう時に臭い長文メールを送れるのだ。
今さら引かれる心配はないわけだから。

話は戻るが、それでも彼女の怒りはおさまらないようで返事が来なかったわけだが、
ラインも相変わらずブロックはされてないし、
完全に俺を拒絶はしていないんだなとどこかで思っていた。

今までなら、毎週2・3回は彼女と頻繁に会っていたのだけど
喧嘩をしたことによって、急にそれがなくなった。

それだけ多くの時間を過ごしてきたので若干のさみしさが無いかといえば嘘にはなるが、
今まではなかった自分の時間ができたことで、
男友達と飯を食べに行ったりシーズンも佳境になった好きなプロ野球中継を見たりと
徐々に自分の生活のペースを取り戻してきた。

この生活も楽しいし悪くないなと思った。
急に不機嫌になられたりわがままを言われることもないし気を遣うこともないし、喧嘩をすることもない。
穏やかそのものだし、独り身も悪くない。

また、彼女と会わないことでお金が貯まるではないか。
まだ別れてもないのに
もうあの遠い街まで行かなくてもいいんだなと思った俺は、どこか安堵をしていることにも気づいた。

知り合って7ヶ月くらいだろうか。
あんたはもう十分よくやったぜ。

俺は俺をそう労ってやりたくなった。

ただ、矛盾するようだが喧嘩をして切られるような別れ方は俺の中で今まで経験はなかったので、
このままお別れはしたくないなと思った。

どこか解放されたい俺と喧嘩をしたまま別れたくない俺とが心の中に同居していた。
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by masa3406 | 2013-09-30 07:48


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