焦燥

友人が引越しをしたらしく最後の荷物を運ぶというので手伝いに行った。

彼は既婚者で子供もいるんだけど、会社のある街に引っ越ことになって
家が遠くないのでたまに会って飲んでいたので、俺は家が遠くなることに少し寂しい気持ちになった。

彼の家に行くと彼の弟さんがいて、彼にそっくりの顔をした娘さんがいた。
ちょうど彼が小学生の時の顔とそっくりだった。
娘は父親に似ると言うけど、父親の遺伝子おそるべしだ。

車に荷物を積み込んで彼と彼の弟さんと娘さんとで、新居へと向かう。
その道すがら、彼の弟さんが実は最近会社をやめて資格を取るために
専門学校にかよっているんですよと言った。

彼は、大学を卒業してから1つの会社に勤め続けていたので、それにはとても驚いた。
退職金がその入学金と学費にすべて消えたらしく、彼の生半可ではない覚悟が伝わってきたし
卒業まで3年も通わないとならないらしく思い切った決断をしたなあと思った。
覚えることが多くて、大変だと語る彼の顔はでも充実している表情をしていた。

バイトをしながら通わないとならないので、家賃を浮かせるべく実家に戻ったらしく、
その点は母親と不仲な俺とは違い、帰るところがあってうらやましく感じた。

新居のマンションに着いて部屋に荷物を運び込むために入ると、とても広い間取りで驚いた。
家賃と平米数を友達が語っていたのだが、駅からはそう遠くはないのに都内では考えられない
広さだ。
奥さんは外出中とのことで、娘さんのために買っておいたプリンを渡して
そこからまた弟さんと娘さんを家に置いて再び彼と実家を目指した。

彼と俺とには共通の同級生の珈琲店で店長をしている友達がいるのだけど
その店が帰り道にあるのでそこに寄ろうか?と提案すると

あいつまだ言ってないでしょ?

と、急に意味深なことを言った。

あいつには言わないでよと念を押され、
実は、会社と待遇面でもめて先月で転職して別の飲食業に転職した事実を聞いた。

さきほどの弟さんに続いて予想外の話にまた驚いた。
今日は、身近な人の人生の大きな決断話に驚く話ばかりだ。

以前にその店に行った時は彼は非常に生き生きした表情で楽しそうに働いていたし、
会っていた時も彼はプライベートともに充実してそうだったので、
そのままそこで働いていくんだろうなと思っていて、辞めることはおおよそ想定外だったのだ。

今度のは独立を前提とした転職らしく、彼も何かしらの大きな覚悟をもってして新たな人生の道を選択したのだろう。
独身でいつも女の話をしていたさして人生設計の話はしない能天気な同級生が、
急に遠くに行ってしまってなにか取り残されてしまったような気がした。

流されている自分の現状をあらためて省みる。

確とした将来設計もなければ、将来どうなるかも想像すらつかない。
このままじゃいかんなあ。

軽く引越しの手伝いにきたつもりが、反省と焦りを感じた一日になった。
[PR]
by masa3406 | 2014-06-01 04:02


<< 情熱の人 いい知らせ >>