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突然の閉店

バイトをしていた夜のお店。
その後、俺は引き止められて来月末まででやめる予定だった。
ここ最近の店の状況はというと、最近お客さんを持っているような女の子が次々と辞めてしまい、
先週からママが体調を崩して入院していてママも不在だ。
募集はしても新しい子も入ってこなくて、客足も減ってきていた。
客は来ても女の子が減ったのでつける女の子が少ない。
悪循環だ。
ただでさえ売りがないお店が、まったく売りがなくなった。

俺は過去に何回かお店が潰れる末期を見ているのだが、
なんともその状況に似ているなと最近思っていた。
その中でもいちばん酷いのかもしれない。
ただ、月曜日に店長と話したときにママもお店を継続する気はある意思を聞いていたので、
持つかどうかは別としてこの先も続けるだろうと思ってはいた。
潰れるにしても数ヶ月は持つだろうと。

そして水曜日に出勤するなり俺は店長に店の奥の席に呼ばれた。
こうやってあらたまって話すのは入店の面接以来だ。
なんだろうか。方針でも話すのだろうか。

その内容とは、
実は、ママが入院していて思ったよりも状態が悪いのがわかり、手術をしなくてはならなくなった。
そしてママがいないまま続けていても現状を見てもわかるとおり厳しい。
だから、非常に急で申しわけないんだけど今月でお店をいったん休止するということになった。
また必ずこの地でお店を開くので、そのときは一緒にやろう。

店長はクールな人だ。いつもと同じように淡々とそう話した。
月曜日にお店は続けると言っていたので、まさに寝耳に水だ。
これは休止という名の閉店だ。
ママはここ1ヶ月週の半分以上はお店に出勤していないペースだったので、
ママがいないことには最近は違和感はなくなっていた。
本来はそれもありえない話なのだけど。

状況はわかるけど、もっと早く言えよなあ・・・。
ママの体調が良くないのはわかっていたわけだし。。。
俺は過去に何度かお店の閉店に遭遇したことはあるが、
最低限の常識で店側には1ヶ月前には通達されていた。

それが直前の2日前
あの気まぐれなママのことだ。手術のことは本当だとしても突然決めたに違いない。

俺以外の全員にも今日告げられたそうで、女の子達も急で困るだろうなと頭をかすめた。
本当に最後までいい加減なお店だった。
だから続かなかったのだが。

辞めたチーフが最後の日に俺に言っていた

「このお店は絶対に続かないから。本当に絶対に続かないよ」

その言葉がいまさらながらのようによぎった。

というわけで、早速、前の店の担当に電話をしたらカムバックはいいよとのこと。
ありがたいことに再来週から復帰することになった。

今日は、みんなともお別れだ。
思い返すと、この店は女の子達は人柄がいい子が多かったし、
みんなアットホームな雰囲気だったので、非常に仕事がしやすかった。
今日で最後ともなるとちょっと寂しい気分だ。
少なくとも俺は人には恵まれたと思う。
今の気持ちは感謝の気持ちでいっぱいだ。

ただ、今日でお終いも運命 
出勤して、最後のお別れをしてこようと思う。
by masa3406 | 2008-02-29 19:33


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