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欠陥人間

GWはあっという間だった。

2年ぶりに幼馴染に会いに行ったり、親と死んだ犬の骨を置いてある
寺に行った。
骨壷から遺骨を見せてくれたが、骨は骨でしかなかった。
面影はどこにもなく形骸でしかなかった。

そして最終日に、先日のバイト先の子とドライブをした。
俺がドライブの地に選んだのは横浜から鎌倉へ行き湘南 最後は箱根と
ちょっと詰め込んだコースだ。
理由はその子が東京に出てきて、ほとんどドライブの経験がないから
いい景色を見せてあげたかったのと、
かつて住んでいた神奈川や湘南の地を久方ぶりに訪れてみたくなったからだ。
俺にとっては、住んでいたその頃はまだ夢も希望もあった時代で懐かしの地なのだ。

朝10時過ぎに家まで迎えに行き、そこから横浜へと向かった。
GW最終日のせいか道は空いていて、天気はこのGW初めて快晴で
ドライブ日和だ。
横浜ではべたなデートスポットの港の見える丘公園や外人墓地に行った。
どこもカップルばかりだ。
俺たちも傍から見ればカップルなのだろうか。
港の見える丘公園は、昼間に行くと単なる倉庫街の見える丘公園だ。
そしてそこから鎌倉の鶴岡八幡宮に行き、そこから辻堂海浜公園
湘南平と巡った。
どこも俺が大好きな場所ばかりで、その子もとてもいい景色で楽しいと喜んでいる。
車中ではバイト先の話や、学生時代の話 していた部活の話 仕事の話 
趣味から テレビのドラマまで
ありとあらゆる話題になった。
その子の話によると、昔は遊んでいた時期がありギャルだった時期もあったようだが、
今はそんな面影は微塵もない。
夜の世界の子は、遊んでいた子や遊んでいる子が多いのだがその法則は
ここでも当てはまった。
どの話をしても、その子は楽しそうに笑顔で話題に参加するので、話していて苦ではなく
あまり気を遣わなくて済んだ。

ただ、俺はあえて恋愛話だけはしなかった。触れなかった。

途中、昼飯に行きたかった美味いラーメン屋を藤沢で探すも、俺たちは目前で迷った。
その子も俺の持つ本を見て一緒に探してくれてようやく見つけることができた。
こういうときにただついてくるだけの子は結構多い。
頼りは自分だけで、さらに迷えばついてくる子もさらに迷う。
探せども見つからない、女は黙ってついてくるだけだ。
だんだん気まずくなる。
そういうときは内心男は焦るものだ。

だからそこで一緒に探してくれる姿勢はありがたい。
この子は気が利くいい子みたいだ。

最後の箱根の芦ノ湖に着くころは18時ごろで、外はまだ明るかったけど
空気はひんやりと冷たく、ボートも遊覧船も終了していて観光客はいなく閑散としていた。
風がややあるので湖の波が立っていて幻想的だ。

そこから、俺たちが東京に帰ってきたのは23時頃だったが、
不思議とそれだけ長い時間一緒にいても苦ではなかった。
過去に、こうやって彼女や女の子とドライブデートをしていたな。
なんてことを俺は一日のうちに何回か思い出した。
そして、なんかデートって同じなんだよなあとも思っていた。

楽しいかと言えばまあまあ楽しいが、俺には娯楽として考えたらそれなりに楽しいくらいだ。
していること、話していることも過去の繰り返しのような気すらしなくもない。
それを言っちゃおしまいなんだろうが。
一日中、気分は特別高くもなく低くもなく普通ちょい上程度だった。
まったりした時間ではあったが。
ま、こんなもんだろう。
俺にはそんな気分だった。

東京で飯を食って、その子を送ったらすっかり12時を過ぎていた。
終始楽しそうでまたどこかへ連れて行ってねと満面の笑顔で言った。
俺が遊びに誘えばどこにで着いて行きますよ。
なんかそんな雰囲気をかなり出している・・・。

そんなとっても嬉しそうなその子を見ていたら、俺はなんか悪い気がした。
今日もその子は自ら車を降りようとはしなかったけど、
俺は遅くて悪いからと切り出して帰宅した。
あえて、次の約束はしなかった。

雰囲気や俺に対する態度を見ていたら、その子は進展を望んでいる気がした。
だけど、俺には目的がないのだ。
確かにいい子で、可愛いし今日過ごした感じでも一緒にいても苦ではないだろう。
今日、つまらなかったかといえばそこそこ楽しかった。
雰囲気も悪くない。
だけど、なんか俺はいま彼女がほしいとか深入りを望んでいない。
物凄い理由があるわけでもない。
自分でもなぜだかはわからない。
人並みの幸せからまた俺は逃げている。
ここ何年もずっとこんな調子だ。
好いてくれた子は美人の子もいたし、単純に好みじゃないからという言い訳も通用すまい。

いつも俺はただ逃げるのみだ。
いつもその時ならではの理由をつけて自分を正当化して逃げている。

金がないから 面倒くさいから 今はフリーターだから 気が合わなさそうだから 
よく考えてみると、後づけの逃げる理由でしかない気がする。

ぶつからずして逃げてる。
今、また逃げようとしている。
自分を守って距離を保とうとしている。

俺の友達たちに普通にできることが俺にはできない。
俺は欠陥人間なのかもしれない。

翌日、その子から楽しかったという内容と、翌日会社だった俺が疲れなかったかと
俺を気遣うメールが来ていた。
最後にまた遊んでくださいとあった。

また俺は悪い気がした。
by masa3406 | 2008-05-09 20:12


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