<   2010年 05月 ( 7 )   > この月の画像一覧

千葉の奥地の焼肉屋

代休だったので、成田市の近くの女の子の友人と車で飯を食いに行った。
普段は、ビルや家でゴミゴミとした都内の運転ばかりなので、
向かう途中の下道の、のどかな緑に色づいた田園風景は、
生活に追われた日々の狭間の休日にちょっとした安らぎを与えてくれる。

学生時代や卒業後3年くらいは、友人やひとりでもよくドライブや遠出をしていたものだが、
いつしか面倒になり、車を運転することは単なる目的地に向かう手段に成り代わり、
ほとんどそういう習慣がなくなっていた。
途中の、印西市の北総線沿いをまっすぐ走る国道沿いの両脇には、
前からあったニュータウンに加えて、
新たなショッピングセンター 映画館 観覧車までができていて、
郊外型の都市が形成されていた。

東西に一直線に続く北総線の線路の両脇には、草が生い茂る大きな用地が確保してあるのだが、
これは昔の成田新幹線計画があった遺構である。
ちなみに京葉線の地下のあの遠い東京駅も、もともとは成田新幹線計画の終着駅として
計画の頓挫でそのままになっていた地下駅を再利用したものだ。
この北総線には7月からスカイライナーが走り、京成の成田空港へのルートは、本線から
こちらに切り替わることが決まっている。

このあたりのガソリンスタンドは、昔から安くレギュラーがリッター128円と
都内ではまず見ることがない激安の看板が出ている。

北総線の線路から離れて北上したあたりから、
さらなる田舎の風景へと移り変わり、
いくつもの水田地帯や川や沼を超えながら、駅前に何もないローカル線の駅を過ぎ
友人宅近くのスーパーの駐車場に到着した。
急の休みで気まぐれで久しぶりに来たのだが、やっぱりあまりにも遠すぎる。
自宅から2時間もかかった。
とんでもないド田舎だ。
ここに来るのはこれが最後であろう。と車内で友人を待ちながらひとり思う。

距離としては自宅からかなり走ったのだが、信号がほとんどないおかげで、
ガソリンをほとんど食っていないことに驚く。
これを本当のエコと呼ぶのではないだろうか。
都内は過剰なまでに信号を作りすぎていて、かえって環境破壊の手助けをしている気がする。
イタリア パリ ソウルと比較をしても、東京は明らかに信号の数が多いのだ。

再会した友人と、近況話をしながら成田の芝山にある美味いと聞く
焼肉屋 大幸 へ向かった。
http://r.tabelog.com/chiba/A1204/A120401/12007372/
この間行った韓国では、満足するような焼肉を食べることができなかったので、
その欲求が果たせていないままだった俺の目的は、これであったのだ。

成田市を抜けて、交差点を曲がり国道をひたすら南下していく。
成田空港が近いので、夕暮れの空にジェット機が飛んでいる。
信号も少なく渋滞もないので、非常に運転がスムーズだ。
友人の道案内がなければ、今自分がどこいて
どこに向かっているのかさえもわからないような、田園風景だ。

19時を過ぎて空はやや暗くなり始めて、森や水田の中に
工業団地の入り口の看板が出てくる。
東京の人間が考えるなら、こんなところに焼肉屋が本当にあるの?
と思うような場所だ。

そこを左折して200メートルほど行くと、何もない緑地の中にぽつんと
店らしき建物と大衆肉料理の看板が見え
満杯の駐車場が見えてきた。
こんな何もない場所に、人でにぎわう店があるのは奇妙な光景でもある。
初めて訪れる友人もそれに驚いている。
駐車場には、品川や習志野の他の土地のナンバーの車も停まっている。
ここが美味いのは確かなようだ。

広い店内に入ると、見るからに霜降りで美味そうな肉の入ったすし屋のような
ショーケースがカウンターにあり、食欲をそそられた。
平日の19時だというのに座敷の店内は満卓で10分ほど待たされる。

それから奥の座敷に通されメニューを見るとなかなかリーズナブルだ。
ウーロン茶なんか250円だ。

メニューはホルモン系は少なく、どうやら和牛の正肉系の店のようだ。

裏メニューと書かれたページに
聞いたこともない部位のクラシタ(背中) ハバキ(脛の近く) フロスト(書いていない)と写真入りで書いてあり
そしてなぜか、並みのタンがある。
どうして、並のタンが裏メニューなのだろうか?

この友人はホルモン系が駄目なので、ここは俺も合わせて正肉を頼むことにする。

適当に和牛上ロース刺身 和牛上カルビ 和牛ハラミ 牛上タン塩 に
裏メニューのハバキ サニーレタスを友人のリクエストのままに一気に頼んだ。

だが、並でも良かったなと後で感じた。
この手の脂肪の乗った和牛の焼肉店の店は、
大概 上を頼むと霜降りの脂肪分が多いので、
食べていると、だんだんとしつこくなってくるものだ。
なのでこの手の焼肉屋では、俺は並を頼むことが多い。
マグロにたとえるなら、上トロよりも中トロのほうが
脂肪が多すぎずに美味いと感じるそれと同じだ。

一気に注文したので、運ばれてきた皿が卓にたちまち広がってしまった。
皿の肉は、東京ではありえないほど多く
肉も全体的に分厚く切られていることに友人ともども驚いた。
タンも東京のとは違い、分厚く切られている。

都心で、この肉質でこの量ならいくら取られるかわからない。
このコストパフォーマンスの良さは、東京でもないと思う。
ここがわざわざこの奥地まで来る価値がある、メリットになるのではないだろうか。

まずは並々と入ったウーロン茶で乾杯をする。
出てきた肉は、どれも新鮮で生でも食べられるような肉質だ。
特に山葵しょうゆで食べる、ロースの刺身はとろけるように柔らかく、脂が解けていく食感と
コクがたまらない。
やっぱり、和牛は美味いなと感動する。

新鮮なので、正肉はさっとあぶるくらい焼いて、半生で食べるのが美味しいのだが、
友人は生生しいのが苦手だとか言って、
色が変わるくらいにきっちり焼いて食べていて、俺は内心げんなりした。
なんてもったいない食い方だ・・・。

肉をたくさん食べ、そろそろ味を変えたかった俺達は
ご飯類を頼むことにする。
友人は、石焼ユッケビビンバを頼み
俺は焼肉店で頼む定番のクッパを頼もうとメニューを見ると
ないのだ。
この店には、なぜかクッパ類がまったくない。
俺が困惑していると、友人もクッパがない焼肉店ははじめて見たと
驚いている。

後はライスとなぜか焼きおにぎりしかない。
俺はビビンバが苦手なので、頼みたいものがなくなってしまった。
冷麺もないし、ケーキやハンバーグはあるのだが
肉以外のサイドメニューが乏しいのが、
この店の欠点であるようだ。

頼むものがなくなった俺は、ライスを仕方なく注文した。
友人は、女1人にビビンバは量が多いのか
苦手だという俺に執拗にビビンバを勧めてくる。
ビビンバが苦手な俺を信じられないと、理由をこと細かく聞いてくる。

そこから、苦手な食べ物の話題になった。
この子は、普通 相手が何かの食べ物を苦手だといえば、ああそうなんだとそれで済むことを
どうも自分が好きなものが、他人が嫌いなことが信じられないらしく
大きく驚きながら、どうして苦手なのかをマニアックなまでに食い下がって聞いてくる。

俺も普段、苦手な食べ物に対して一々どうして苦手なのか
理由を掘り下げて考えているわけではないので、
聞かれても全部を相手を納得させるような返事はできない。
俺は、それを曖昧に食わず嫌いと誤魔化したが
納得できないような変な顔をしている。

人間は、普段考えていないことを言葉にして説明するのは困難なものだ。
だから、そうしたやり取りには少々疲れを要した。
この子と付き合う奴は、大変そうだ。
嫌いだから嫌いなのだ。
そこは、普通に流してくれ。

それから車で友人を送って帰るのだが、
友人宅で降ろした帰りに、
すっかり昼間とは変わった田舎の真っ暗な景色に
田舎の複雑に入り組んだ道。
同じような真っ暗な景色に、住所も出ていない田舎道。
今どこを走っているかも時にわからなくもなり、
間違った方向に真っ暗な利根川沿いの道を走り続け、
俺は何度も曲がる道を間違え、時に同じところをぐるぐると回りながら
えらい時間をかけて帰宅した。
途中には、漆黒の闇の中
遠目のライトだけが頼りの細い道で両脇は崖のような場所もあり、
この道を行けば、どうなるものかと心細くさえなった。

都内と近県の都市の地理には詳しいつもりの俺が、
真っ暗な田んぼや森の中では、全くの無力な単なる方向音痴になってしまったのだ。
車を買い換えて、こんな時の最大の味方。
カーナビをつけていなかったことを後悔した。

田園風景を脱出して、見慣れた国道や駅や町に出たときには
心底ホッとした。
そのような、闇夜の田園を生活圏として生活をしている友人が、
俺には全くの別の人種に感じたのだ。

やっぱり、東京の明るい大都市生活のほうが
俺には合っているようだ。
この休日に再発見をする出来事であった。
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by masa3406 | 2010-05-26 05:27

求めるもの

副業のほうの夜の店で働いて半年になるが、
女の子の何人かと人間関係はできて、
この店でも不思議であるが、なぜか最近3人ほど好かれているようだ。

断っておくが、これは自惚れでもないし自慢でもなく
そういう状況でふと感じたことをレスしたい。

前の店と同様に
ここでも別に俺はその子達と特別な感情を入れた会話をした覚えもないし
素で会話をしていただけなわけで、
彼女たちのプライベートに踏み込んだり
異性を意識をした特別な会話をしたわけではない。
俺にしてみたら、彼女たちとしたことはごくごく普通のコミュニケーションである。
だから、別にイケ面でもない普通の人間で冷めている俺には、それは実に不思議なことだ。

そして、面倒なことになりたくはないので、またここの店でも全く俺は知らぬ顔をして
一定の距離を置いて接している。

今まで生きてきて思うのは、
女の子が多い環境にいれば、おのずと多いその中のたまたま物好きの誰かが、
なぜだかはわからないが、自分に興味を持つ図式が存在するようだ。
相手は別に俺の何かを知っているわけでもない。
前提として、彼女たちもそれはどうでもいいことであるはずであるから、
俺も何か自分をわかってもらおうとする深い話はしていない。
とくにポイント稼ぎのようなことをしたわけでもない。
従って、その好んだ要素は、フィーリングなのか何なのかは俺には知る由もない。

その物好きな彼女たちは、明らかに合わないのになぜか俺を求めている。
それだけは、確かなことだ。

俺は、いま現在 別に誰かと関わりたいとは願ってはいないけれども
あえて今、将来、自分が付き合いたい子の要素をあげるとすれば、
それは育った環境が似通っていて、
色々と話せる(深い会話ができる大人しく落ち着いた子)かなと感じている。

もう俺には、過去のように何かバックグラウンドや性格など違うものをすり合せたり
何かを追ったり頑張る気力はない。
自分の時間もこれ以上は失いたくもないし、
プライベートは、自然でありのままの己でいたい。
過去にはないものを女に求めたり、ちょっと違う環境の派手な子を追ったこともあったが、
そういうものは、若さゆえの間違いであったことに気づく。
それは、経験は得られたけれども何も生み出しはしなかった。

今は原点回帰というか、素直なままにいたい。

そして、ここ『水商売』の世界の子は自分とはナチュラルに違う人種だと思っている。
それは、ずっといて感じていたことの結論だ。
だから、誰かに好意的に思ってもらうことはありがたいことではあるけれども、
申し訳ないが、俺が頑張ることができない人たちなのだ。
逆に関係を深めたいのなら、頑張らないとならない人たちだ。
それは、お互いに不幸なことでしかない。

友達たちは似たような環境の子を見つけて、
付き合ったり結婚をしている。
俺には、そういう子に出会えないのであれば、それはそれでいい。

それは、俺がそういう本来の人生のレールから外れてしまった自己責任なのだから。
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by masa3406 | 2010-05-25 06:22

空虚感

ジムで飲み会があるので、車で行くことにした。(俺は飲まないが)
途中、入門以来よく一緒に練習をしていた仲間を拾って一緒に行くことにした。
俺はここずっと仕事が多忙で、ジムに行けていないので会うのは
試合の応援で会って以来だ。
その時は、帰りに2人で飯を食ってそれから飲みに行った。

待ち合わせ場所に現れた普段のままの彼を拾って、居酒屋に向かう
行きすがら、彼は 実は俺、もうジムをやめたんですよ。
と切り出した。

俺は、驚いて固まった。
彼はプロになって、ちょうど試合を数試合こなしたところで、
さあ、今年はどんどん試合経験を積んで飛躍の年だ。
という時期だったからだ。

ついこの間、一緒に飲んだときも彼と彼のファイトスタイルや未来について
語り合ったし、
俺は、彼の活躍や試合を内心、自分のことのように楽しみにしていた。
その時は情熱的に話していた彼になにが起きたのだろうか。

今はすっかり仕事中心の生活になってしまった俺には、
同じ釜の飯を食った近しい仲間の活躍は、
生活の中の数少ない光の1つでもあった。

事情を聞くと、家庭的な事情があり、昼夜働かざるえなくなったとのことで、
ジムで練習している状況では、なくなってしまったようだ。

思えば、入門して以来、まだ会員が少なかったジムでお互いにミットを持ち合ったり
アドバイスを受けたり、
誰よりも彼とは、一緒に練習をしてきたのではないだろうか。
すでに完成されているほかのプロとは違って、言葉少なで不器用だが、
コツコツと練習する彼の成長を俺は楽しみに見守ってきた。

ここ2年弱で、その成長のグラフが一気にぐぐっと伸びているのを
傍目にも確信できるほどだった。

ちょうど今はそんな時期で、まさに晴天霹靂の出来事だった。
プロ野球選手に例えるなら、2軍でずっと下積みをしてきて荒削りだが、
さあこれから1軍定着だ。という時期に引退をしてしまうようなものだ。

やめてしまうと、これまで積みあげていたことや
作ってきたものが、まったくの無駄になってしまう。

俺は、彼には彼の事情もあり不謹慎だとはわかってはいたけど
やめてほしくないなあ。今やめるのは、あまりにももったいなさすぎるよ。
せめて、もう2試合くらいやってからでも。
練習時間の合うジムに変えてでも。なんてことを
俺はあえて車内で話し続けた。
それは俺の身勝手な願望とも言えた。

今まで、ずっと一緒に練習をしてきて
彼とすごしてきた長い時間、彼のしてきた地道な練習を知っているだけに
外側から、軽はずみな気持ちで言ったわけではなかった。
その長きにわたる努力の結晶の成果をリングで見たかった。
彼に輝いてもらいたかった。

ここでやめたら、これから先の長い人生で
後悔するんじゃないの?と俺が聞くと
絶対に後悔しますよ。
と彼は返した。

それから飲み会に参加をして、彼を送って帰った。
彼は酔っ払っていたので、行きのような話はしなかった。
友達の家に飲みに行くと行って車を降りた
最後に何か言いたそうな顔をした彼に
何かあったら電話をしてきてな。
俺も電話をするよ。
と言ってお別れをした。
月並みだが、情けないことにこれしか俺は言ってあげられなかった。
彼の状況に軽々しく、遊びに行った友達と別れる時のように
頑張ってな。とは言えなかった。

俺の中で、ぽっかりと穴が開いたような空虚感だけが残った。

ほかにもジムには、仲良しの仲間はいる。
だが、
いつもいたあいつがいないジムで、
また再開したときに俺は、楽しく練習ができるだろうか。

そう考えると、寂しさだけしか今の俺には湧き起こってこなかった。
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by masa3406 | 2010-05-16 05:00

キムチ臭い

地下鉄に乗ると例によっていつもの香りがした。
ここソウルでは、地下鉄の駅 車内 エレベーターの中 地下道 デパート
ホテルのロビー、商業施設と人が集まる場所ではどこでもこの臭いがする。

俺は、この旅を通して治安も良く、飯も美味いソウルを好きになったのだが、
この臭いだけは、最後までどうも好きにはなれなかった。

どこかで聞いたことがあると思うが、韓国ではいたる場所でキムチの臭いというか、
誇張を抜きにして酸味のするような臭い、ニンニク臭がするのだ。
今回使用したスーツケースの中の下着類 衣類も、ホテルの室内の臭いからなのか、
帰国して開けるとどことなくキムチのような臭いがした。

日本は、外国人からしたら体臭にいたるまで、
同様にあちこちでしょうゆ臭い臭いがするそうだが、
我々日本人は、日常的にそこまで醤油を毎回消費するわけではない。
日本人で、一人暮らしで和食をほとんど食べない人もいるくらいだ。
だから、個人的にはその説には多少の誇張もあると思っている。

だが、俺が感じたこの旅では韓国人は日本人よりも
自国の料理を食べる傾向にあり、料理には必ずと言っていいほどに
毎回キムチが出てくる。
またニンニクが入った料理を食べる頻度が、圧倒的に高い。
それだけ多くニンニクを消費していたら、
誇張抜きに体臭がたちまちニンニク臭くなってしまうのだろうと思う。

親父と地下鉄を乗り継いでホテルの入り口に到着したら、
時刻はすでに約束の14時前になっていた。
ギリギリセーフだと安堵をした。

ところがだ!
ホテルに入ると、フロントマンに日本語で、
実はツアー会社の今日の集合時間が12時に変更されていて、
もうバスは出てしまったことを伝えられた。

ツアー会社は、昨日の夜に連絡するも外出中の俺たちは捕まらず、
時刻変更をホテルの人に電話で伝えたのだそうだが、
ホテルの人がそれを伝え忘れたらしかった。
なぜ前日の夜になって、2時間もの時間変更をする必要があるのだ?
飛行機は18時過ぎなのに、12時に待ち合わせる必要性などあるのだろうか?

だが、それを聞いて内心とてもラッキーだと思った。
どこの誰かも知らない人たちと、修学旅行の時のように
みんなでバスで立ち寄り、
何時間もお土産屋で買い物をさせられるのは億劫だったからだ。
12時待ち合わせなら、4時間は行動をともにさせられることになる

お土産は空港で買えばいいし、
仁川空港までは、成田EXのような直通の電車もある。
のんびり車窓でも眺めて最後の旅気分でも味わいながら、
行けばいいのだ。
そんなことを想像したら、なんだか楽しみな気分になってきた。

親父とも、それでいいよね。とフロントからツアーガイドに電話をすると
ガイド側からしたらそうは問屋が卸さないようで、
あっさりとその提案は却下され、
14時半にみんなバスで待っているからと、親父いわくソウルで有名なホテルの場所を指定されて
これから、タクシーでそこまで向かうことになってしまった。

タクシーを捕まえるまで、俺はスポーツ好きのホテルマンとプロ野球の話やサッカーの話で
しばし盛り上がった。
それが最後の国際交流だった。
ホテルマンが、タクシーを捕まえて行き先を説明してくれ、
伝え忘れたからと、タクシー代に2万ウォンをくれた。

タクシーで指定のホテルに向かうが場所は結構遠いようで、
とてもじゃないけど、2時半に着きっこない雰囲気だ。
タクシーの運転手からも焦りの色が伺え、ただでさえ荒い運転が
さらに荒くなってきて時おり冷や冷やする。

俺も飛ばすほうだが、危険そうなポイントポイントをわきまえていて、
そこでは無理にはスピードを出さないのだが、根本的に譲り合いの精神に乏しい彼らは、
どこまでも運転が強引だ。
どけ!とばかりに強引に突っ込んでいく。
このあたりなんかも、サッカーのFWの選手の強引さの差が出ている気がする。
日本の選手は最後に見てしまったりパスを出してしまうが、韓国の選手が、
強引にシュートまで持ち込むのが、気質的にわかる気がする。

そのうちに道が大渋滞してきた。
ソウルは幹線の道が4車線と非常に道が広いのだが、
中心部は非常に渋滞が多い。
時計は約束の2時半を指していた。

俺は、親父に今頃みんなバスの車内で待たされているのかな。
とか
みんなの買い物の時間が減らなきゃいいけど。と気が気ではなくなり、
だから、俺たちは電車で行くと言ったのに。と
親父に不安や不満を口にした。
みんなの行程がわからないので、どのタイミングで合流するのかもわからない。
俺たちの合流で、彼らの行動する時間が制約されたり
待たされたりするのは申し訳が立たない。

が、そこは親父は度胸が据わったもの。
そんなものがツアー会社が悪いのだから、仕方ないし気にすることはない。
とそれを一笑に付した。

指定先の待ち合わせ場所のホテルに到着したら、すでに時刻は3時を過ぎていた。
少なくとも40分以上は待たされている計算だ。

おいおい、ガイドさんよ。無理に合流させるからこうなる・・・。
少なくても、こっちは他人を巻き込みたくはないのだよ。

ホテル前で、待ち構えていたガイドさんに
促されてバスの入り口からステップを昇ると、
客がみんな疲れたような顔をして座っているのが見えた。
行きよりも、帰りのほうが客が多いようだ。
見たこともない顔もたくさんある。

あちゃーこりゃ、車内でずっと待たされていたような気配だ。

気まずい・・・(;゚Д゚)
非常に気まずい

客からしたら、間抜な時間にルーズな奴らが待ち合わせ時刻に遅刻して、
そいつらのせいで待たされていると誤解をされているのかもしれない。

そこで、そーっと見ないようにしながら後ろのほうの座席に移動した。
バスはすぐに高速に乗り、
俺は、できるだけ静かに潜んでいよう。
座席で身を縮めて車窓に流れる景色を見ていよう。と思っていた。

ようは車内で存在感を消してしまいたかったのだが、
親父が大きな声で、俺に頻繁に話しかけくるのには参った。

この人は図太い。。。
俺には足りないものを持っている。

景色はだんだんとマンション郡があるニュータウンや郊外の風景に変わっていき、
ワールドカップが行われたスタジアムなどが過ぎ去っていく。
郊外へ車で25分も走れば一気に田舎の風景になってしまうあたりは、
まだまだ東京のほうが大きい都市だなと思う。
やがてバスは高速を降りると、中規模な都市に寄ってお土産屋のビルに連れて行かれた。

お土産屋は、ほとんどが海苔やキムチの物産が多いところからして、
ブランド品等の高いショッピングは、皆ですでに行った後なのだろう。

予想した通り、値段はやや割り高であった。

それからバスは、荒れ地のような干潟の荒涼とした風景延々と右にしながら空港に向かい
ツアーは解散となった。

こうして、幼少以来の親父との二人旅は終了した。
俺的には、久々の非日常な海外はいい気分転換になった気がした。
いい思い出ができたのではないだろうか。

これを最後とは言わず、またいつか親父と旅ができたらなと思う。
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by masa3406 | 2010-05-14 01:18

ソウルで肉料理を食す

そして、とうとう最終日の朝になった。
本来なら、今日も観光をゆっくりしてから夜の便で日本に帰国。

といきたいところであったのだが、
今回、生まれて初めて旅行ツアーなるものに参加をして
このソウルに訪れていたわけで、
ツアー会社がホテルに午後の14時にバスで迎えに来ることになっていた。

それが、後で思わぬ面倒くさいことになるのだが。

飛行機の出発は18時過ぎなのだが、どうしてそんなに早いお迎えなのかには思惑があった。
旅行会社が、ツアー客を引き連れてお土産屋にたらいまわしにしてから
空港に向かうので、その買い物をさせる時間が必要だったためだ。

多分、お土産屋でツアー客が落とした金額の何%が
旅行会社にキックバックされるシステムなのだろう。
その分割高なみやげ物屋に連れて行かれるのは想像に難くない。
そうでもしないとこの薄利多売の旅行ツアーのシステム。
元が取れないのであろう。

俺たちは、ホテルに14時だよね。と確認をしながら、
俺は、肉の国韓国で最後に焼肉を食べるため、
親父は、母親に頼まれていた韓国のタレントのCDを購入するため、
各々の目的を果たすべくソウルの中心街のミョンドンに再び地下鉄で向かった。

着いてまず、ロッテ百貨店に入った。
地下は食料品街 1階は化粧品売場
最上階にレストラン街と日本のデパートと同じような売り場構成だ。
店内は床も反射するほどピカピカに磨かれてきれいで、高級感が漂い
それなりの所得がある人が来るようなハイソな雰囲気だ。
日本に例えるなら庶民的な小田急百貨店や京王百貨店、東急百貨店とは明らかに雰囲気が違う。

日本でロッテのイメージといえば、
プロ野球チームを持っている、ただのお菓子メーカーだと思う。
ここ韓国ではロッテグループは、
高級ホテル 高級デパート プロ野球チーム 建設会社 カード会社 商社 遊園地
などなど枚挙に暇が無いほど大規模に展開する一大財閥だ。

父親とCD売り場に行き母親に頼まれていた
若い韓国のアーティストのCDを購入した。
レストラン街を通ると、回転寿司屋に蕎麦屋と日本料理の店も目立った。
多分、ここに多くの日本人観光客が訪れるのだろう。

時計を見ると、すでに昼の12時を指していた。
ここからホテルまでは50分ほどかかるので、あと1時間しかないことになる。
ゆっくりうまそうな焼肉の店を探してみたかったのだが、
表通りに出て目についた肉料理らしき店に
親父にここでいいな。と促されて入った。

店内はきれいなバンガロー調の店内で、
メニューを見ると、日本語のメニューがある。
いかにも観光客目当ての店内だ。

もっと地元の人が行くような店に入りたかったのだが・・・。

俺は、前から食べてみたかったサムギョプソル(豚の三枚肉)にロースを頼んだ。
親父は、クッパのようなものを頼んでいた。

店員が鉄板を持ってきて、豚肉と野菜にエリンギに
多分、豚肉をはさむサンチュにゴマの葉 肉につけるタレの器に
水キムチも運ばれてきた。

構成を見ても、焼肉屋ではなく鉄板焼き屋?に来てしまったらしい。
俺が食べたかったホルモン焼きもメニューには無かった。
焦って入って失敗したと内心後悔をする。

カルビは、高くて親父に悪いので遠慮をしておいた。

韓国の焼肉というと骨付きのカルビをはさみで切って焼いて食べる映像を
1度はテレビで見たことがあると思うが、
実はカルビは、韓国では庶民は普段滅多に食べることができない高級品で
値段もそれなりに高いのものなのだ。

店員が、沢山のキムチを鉄板の上に乗せて焼き始めた。

さて、本場のサムギョプソルの肉とお味は・・・
口に運ぶと、どこかで食べた懐かしい味だ。

それは以前、家でよく自炊をしていたときに会社帰りにスーパーで
安い三枚肉を買ってきて、そのままフライパンで焼いた肉と
なんら遜色のない
どこからどこまでも安い豚の三枚肉の肉質のチープなお味だった ( ´_ゝ`)

つけるタレは韓国風の味噌のタレなのだが、それ以外は悲しいほどに同じだ。
ゴマの葉に巻いて食べると、さっぱりとして美味いと言えば美味しいのだが、
特にどうということもない、家で作った味に毛が生えたような味だ。
ロースもどうということもない。

焼いたキムチも食べてみる。

キムチは焼かないで食べたほうがいいと思うよ(´・ω・`)

思えば、来るときのガイドさんに
韓国で焼肉類を食べるときは、そこいら辺の店に入ると
安かろう悪かろうで、日本の焼肉屋のほうがはるかに美味しくて
がっかりするとは聞いていたが、果たして本当にその通りだったようだ。

肉に関しては、韓国では日本の和牛のような人工的にメタボにした
脂肪分が多い霜降り肉を多く精製していない気がした。
だから、精製が限られたそれらを流通している店は、高級店に限られるのではないだろうか。
そこいら辺の安い店に入ると オージービーフのような
安くてあまり肉質が良くない肉が普通に出てくる傾向にある気がした。

肉の消費量こそは、モンゴル人が持ち込んだ肉食文化の韓国なのだが、
平均的な肉の水準や肉質へのこだわりは、日本の方が高いのではないだろうか。
俺には、ここで出た肉に限らずそんな印象を受けた。

俺は、韓国=肉の国
とイメージが先行して、大きな期待を抱いていた分がっかりした。

俺たちは、そこからホテルに帰るべく再び地下鉄に乗った。
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by masa3406 | 2010-05-09 05:36

生のワタリガニの料理

球場を出て、父親が楽しみにしていた生のわたり蟹の醤油漬けを食べられる
江南にあるカンジャンケジャンという店に向うことにする。
地下鉄の地図で見ると、球場からは駅は2駅程度だ。
近そうだしタクシーでいいな。ということで、
球場前に客待ちをしているタクシーを拾った。

親父が店の名前をメモした紙を渡すも運転手さんはわからない様子だ。
そこで、その50代くらいの運転手さんは携帯でどこかに電話をして
店の場所を教えてもらったようで、タクシーを発車させて向った。

ソウルには漢江という大きな川が、南北にかけて流れている。
川幅は東京の荒川や隅田川よりもはるかに広く、
大阪の淀川よりも広い。
淀川の2倍近くはあるのではなかろうかと思うほどの川幅が広い川だ。
そこを渡り川の横の道を走るが、なかなか着かない。
地理的なことは皆目見当がつかないものの、地下鉄で2駅ならもう着いてもいい頃だ。
ずいぶん走っているよね。やけに遠いなあ。と不安になってきて親父と話し始める。

それから20分くらいしてから、江南の大きな通りの脇の飲食店が沢山ある場所で止まった。
ここも大きな街のようで、韓国料理の店が真夜中なのに沢山開いている。
目の前の店が、目的地のカニを食わせる店のようでそこで降りる。
降り際に運転手さんは、片言の日本語でありがとうございました。俺たちに言った。

俺は、かなり腹が減ってきていたので、
カニよりもなにより晩飯にありつけることに期待感が増した。

実を言うと、俺はカニはそれほど好きではない。
身の味は美味いとは思うけれども、
自分で、カニの殻を割ったり、足先の中から身を引っ張り出すとか
チマチマとした作業をしながら食べるのが、性格的に非常に面倒くさいからだ。

ちょっと中華料理店に似た店内に入り、入口近くのテーブルに通されると
日本語のメニューがある。
値段を見ると、これまでのどこの店よりも高くケタが1ケタは違う。

たけえ・・・。

ケジャンは、韓国では高級料理のようだ。

メニューには、東京の赤坂に進出すると書いてあり
6月にオープンするようだ。

隣のテーブルは、40歳くらいの日本人の男1人に若い女の子が2人の組み合わせで
男がひたすら蘊蓄を語り、女の子たちがそれに相槌を打ちながら聞いている。
声が大きいので聞こえてきて、どうもお互いにツアーで知り合った組み合わせらしい。
きっと、男が今晩は知っている美味しい店で御馳走をするよ。と連れてきたのであろう。

俺も、知識集約型人間であり、得た薀蓄を語ることは嫌いではない。
自制をしているつもりだが、
ああいう風に過去、俺もデートをした時に一方的に話していたことがあったのかもしれない・・・。
その姿を見てわが身を省みた。

親父がカンジャンケジャンを2つ頼み、俺が個人的に生きたタコの足を頼んだ。
これはよくテレビで見ていて、韓国に行ったら一度は食べたいと思っていたものだった。

果たして出てきたカンジャンケジャンを見て思ったことは、

ち・・・小せえ・・・。

俺は、カニはずわいとタラバと毛ガニくらいしか知らないが、
今まで食べたどのカニよりも小さい気がした。
俺は苦手が故、カニの構造はよくわからないのだが
表側があらかじめ剝してあって、中に鮮やかなオレンジ色をしたカニ味噌のようなものが
見えた。

とりあえず、中央のさほどない実の部分を箸でえぐり取って
食べてみる。
確かに身が生でややタマネギやにんにくの風味がする。
日本とは違うやや甘い醤油のような味がして、美味いには美味い。
生のカニは生のずわい蟹の握り寿司を食べた事しかない。

しかし、残念なことにいかんせん身の部分が小さい。
腹が減っている俺には、あまりにも小さい。
これでは、何の腹の足しにもならない。

親父は、嬉しそうに割りながら器用に食べている。
相当にカニを食べ慣れている様子で、この人は本当にカニが好きなんだなと思う。

そんな本体からして小さいカニなので、足の部分は細い。
たとえばタラバのように、爪や足の身の部分をがっつり
ほじくり出して食うことはできないのは明白だった。
俺は、即座に足の部分を食べることを放棄した。
細くて痛そうだし触る気すら起きない。

親父は、足の部分を器用につまみ出して食っている。
俺は親父にあげた。

ほかに頼んだ生のタコは、平たい皿に
小さく切られた吸盤の部分がうごめいていて、
ごま油と塩で食べるのだが、
見た目ほどのインパクトもなく味は普通であった。
口の中に入れても、さほど吸いつきはなく拍子抜けをした。

最後に、ご飯を追加注文してさっきの蟹の甲羅に入れて
カニ味噌にまぜ合せて食べるのだが、
これも量は少ないけれども美味かった。

親父はとても満足そうだが、俺には量があまりにも少なく
全然晩飯を食えた気がしなくて物足りない気分だ。
日本で、この値段がさらに高くなってこの量。
このコストパフォーマンスの悪い料理は、流行るのだろうか疑問である。

トイレへ向かう階段の壁に
元ジャイアンツの清原選手の店を訪れた時の写真があり、
隣には朝青龍が訪れた時の写真が飾ってあった。

それから江南の町をブラブラしてから、地下鉄でホテルに戻ったのだが、
まだ腹が減っていた俺は、途中の食堂に入って
部隊チゲ(ソーセージ・ハム・ランチョンミート入りの辛いスープ)を物珍しくて頼んだ。

親父は、このメニューの由来を知っていて説明してくれたのだが、
朝鮮戦争後の食糧難時代に
米兵が配給したハム・ソーセージの缶詰をチゲ鍋に混ぜて食べて、
民衆が飢えをしのいだ由来のある料理なのだそうだ。
想像するにこれを日本で例えるなら、戦後の米兵のギブミーチョコレート時代の
チョコを使った料理のようなものか。

そんなことまで知っている親父を
親父は、本を沢山読んでいて海外もかなり訪れていることもあり、
色々と博識なのだなあとあらためて感心した。

チゲが物凄く辛いのだが、ソーセージやハムがチゲに
味がいかにもマッチしていない気がして、さほど美味いとは思えなかった。
そんなところにも、食糧難の時代に生まれた苦肉の策の料理を感じさせた。

ソウルの食堂では食べてはいないのだが、キムパという
のり巻のようなものが(海苔は韓国海苔でアレンジされている)
メニューにあって、韓国の人がそれを食べているのを頻繁に見かけて
不思議な感じがする。

諸説あるのだが、日本の統治時代の のり巻が由来であることを感じさせる。
また、オムライスがメニューにあるのも何度も見た。
これも日本の洋食の伝来なのではないだろうか。

すっかり満腹になった俺は、親父とホテルに戻って
カニ料理を食べに行った場所を確認するために地図を広げたら

・・・・( ゚д゚)

やはり、タクシーに遠回りをされていました。
運転手は、川を渡るのに球場からすぐすぐの橋を渡らずに
はるか手前の橋までかなり戻って渡り、そこから大回りをして
川沿いを走っていたのだ。

物価が安いので、怒りこそはこみ上げてはこないけれども
ソウルに来て初めて、外国の洗礼を受けた気がした。
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by masa3406 | 2010-05-04 06:39

韓国のプロ野球

父親は、カンジャンケジャンという蟹の料理の店を
何度か韓国に行ったことがある母親から聞いていて、
そこにこの日の夜に行く予定だったのだが、
いかんせん、今はさっきの鳥の鍋で腹がいっぱいだ。

それなら、ナイターが終わった後に行くとちょうどいいからと
俺は親父を説得した。
以前、仕事でプロ野球に関わっていた俺は、
異国の野球場の雰囲気を味わってみたかったのだ。

とはいえ、俺は韓国のプロ野球のことを全く知らなかった。
知っているのは、日本でプレーしている韓国人選手くらいだ。
確かソウルには、プロ野球チームが3チームあったはずだった。
3つもあれば、どれかがやっているに違いない。

そこで、町の交番で球場の場所と今日試合があるかを聞いてみることにする。
お巡りさんは、野球ねえと不思議そうな笑顔で対応しながらも、
奥にいたお巡りさんたちが何人かで何事かを話し、交番にあるインターネットで親切に調べてくれた。

個人的にプロ野球に詳しい人はいないようだ。
そして今日、チャムシルというソウルにある球場で試合が行われることと
地下鉄の降りる駅も教えてくれた。
とても親切だ。

お礼を言い、父親と地下鉄を乗り継いで30分くらいの目的地に向かった。
向かう車内や乗り換えのホームで、野球観戦に向かうような格好をしたファンはいないかと
観察をしてみるが、
時間的に帰宅をするサラリーマンやOLの姿ばかりで、
そのような格好をしている人は誰一人として見かけかった。
韓国では、あまりプロ野球の人気はないのだろうか。

駅を降りてすぐ階段を上った大通りに面したところに大きなスタジアムがあった。
ここはソウルオリンピックの時にメインスタジアムとして使われた球場らしい。
夜空を照らす照明がきれいで、球場の中から応援団の歓声の音が聞こえてきて、
胸が高まった。

野球場の入り口の雰囲気は、ちょうど千葉ロッテの千葉マリンスタジアムに似ていた。
周囲は福岡ドームの表側の雰囲気に似ていなくもない。
球場前にいくつか屋台が出ていて、ビールやカワハギの干物を焼いたものが売られていて、
大声で熱心におばさん達が呼び込みをしていた。
韓国の野球では、カワハギの干物を食べながら野球観戦するのが一般的なのだそうだ。
が、これ以上食うとその後の夕飯がきついので親父とビールのみを買った。
正面入り口でチケットを購入する。
バックネット裏の2階席で、なんとたったの800円と
安さに驚いた。
日本もこれくらい物価が安ければ、いろんなことを楽しめるのに。

球場内で選手名鑑や何かチームのグッズが売られていないか探したけれども、
飲食販売の売店以外は、何もないようだった。

階段を相当登って球場に入ると、夜間照明に照らされたグラウンドはきれいだった。
センターは125m両翼は100mと大きなスタジアムだ。
スコアボードを見ると、試合は3回を経過していて、0-0とまだ得点は入っていないようだ。
何も調べないで来たので、どことどこのチームが対戦しているのかもわからず
対戦をしている2チームが、強いのか弱いのかもわからない。

スコアボードに出ている選手の名前はハングル文字でさっぱりわからないが、
表記は打率 本塁打 打点に
球速が日本のように表記され、わかりやすく見える。
ハイビジョンにはたまにCGのキャラの画面も出てきて、
ハイテクな国らしさを感じさせた。
ビジョンに映し出された、赤いチームの先発投手は白人の助っ人選手のようだ。

観客席は、外野はガラガラでほとんど人がいないが、
両内野のベンチ上から外野にかけて、扇動する応援団長らしき人や
チアリーダーがいて、その周辺には観客や応援団が大勢いて
大声援を送っていた。
さながら、都市対抗野球の応援風景のようだ。

まだプロ野球が開幕して1ヶ月の試合の序盤で、0-0のロースコアだというのに
日本人にはちょっと信じられないほどの、物凄い熱気で応援をしていた。
意外に若い女性の姿も目立つのが日本との大きな違いだ。
ファインプレーでもしようものなら、1塁側のホームチームの応援は
両手に持った細長い棒のようなものを叩いて大騒ぎだ。

日本でも、ペナントの優勝決定するような天王山か日本シリーズのここぞという場面でしか
このような熱気とテンションの高さは、シーズン中もなかなかお目にかかれないもの。
WBCの日本戦の韓国の応援は、熱狂的なことは知られているが、
それは、日本へのライバル心で特別バージョンなのかと今まで思っていたのだが、
韓国人は、普段から応援のテンションが高く熱狂的な国民性であるようだ。

自分が見ている周りでも日本人みたいに試合中に携帯の画面を見ていたり
連れとの会話に夢中になっているような、ほかごとをしてながら観戦の人や、
試合途中に飯の買い出しに席を立つような人は見られなく
誰もが試合に集中して観戦している。
頻繁に周囲を歩き回るビールの売り子も、ここにはいない。
球場全体に一体感のようなものが存在していて、雰囲気が面白い。

このように熱中して観戦してくれるのは、選手も選手冥利に尽きるのではないだろうか。
試合は途中でお互いに得点が入り、1-1とロースコアなまま進む。
試合を見ていて気がついたことは、両チームともランナーを出しても
守備の陣形がほとんど変わらない。
外野も投手の牽制球の時にカバーにも動かずに
動かざること山の如し。
打者や局面で、シフトを敷くようなシーンもほとんど見られなかった。

ランナーが出ても投手を揺さぶるような動きをすることもなく
日本の高校野球やプロ野球のような、細かいサインプレーや
守備のシフトに連動したきめの細かい配球に
粘っこく1点を取りにいくような緻密な戦術は、ほとんど存在しないようだ。
終盤においてもバントも1度しかしないし、大雑把なメジャーリーグの
パワー野球にも似ているように思える。
主軸打者の体格はプロレスラーのようで、確かにパワーは日本よりも
あるのかもしれないが、大味で雑な野球と言えなくもない。
後になって知ったのだが、この試合は1位と2位のチームの首位対決で
赤いほうの首位のビジターのチーム(SK)は、日本の巨人にいた門倉投手がプレーをしているそうだ。
今現在、最多勝。

SKは日本人のコーチを招聘したりして、
日本野球を積極的に採り入れ、スモールベースボールを目指しているそうだが、
この試合では、さほどそれは感じさせなかった。

この分だと、WBCのような1発勝負の試合では、
投手を打てる打てないがあるのでわからないが、
仮にペナントのリーグ戦をしたら、まだまだ日本の敵ではないなと感じた。
韓国のチームが優勝することは、100パーセント不可能であろう。

ソウルのチームがリードをしたものの途中から出てきた中継ぎの投手が、
とてもセットアッパーの投げる球とは思えないほどの球威の投手で、
案の定打たれて赤いチームが僅差で勝利した。
親父も言っていたのだが、外野にいたるまで観客のほとんどが帰りもせずに
最後まで試合を観戦しているのが印象的だった。

親父も、元々野球をやっていたので楽しんでいるようだった。
そこから、タクシーに乗り蟹料理を食べに向かった。
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by masa3406 | 2010-05-01 02:10