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憧れの人のお店

仕事帰りに、とあるプロレスラーが今月からオープンさせた
ラーメン屋を訪れてみることにした。
ネットの情報によると、単なる名前貸しの店ではなく
そのレスラー自らが厨房に立ち作っているらしかった。

店は、246号線から右に分岐をする世田谷通りを三軒茶屋から車を走らせ、
環七を超え環八を超えて、さらに成城学園を越えた喜多見市に入った
市街地の坂道を降りきったあたりにあった。

かつては、ジャイアント馬場率いる全日本プロレスに在籍したそのレスラーは、
俺にとっては憧れのレスラーであった。
当時の彼は、リングの上では徹底して無愛想で寡黙だった。
俺は、彼がリングの上で笑うところを見たことはただの一度もない。
試合が終わっても、相手を称えることもなく無表情に静かにリングから降りて行き
試合後のコメントも・・・・・・。とノーコメントのことは少なくなかった。

ファイトスタイルは、その寡黙さとは裏腹に
容赦のない蹴りを多用し、掟破りの受身が取れない
垂直に相手を落下をさせる危険な大技を多用する非常に危険なスタイルだ。

そのスタイルから、ニックネームは、彼の頭文字を取ってデンジャラスKと名づけられていた。

寡黙で、情け容赦ない危ない男。
その姿が、当時の俺には冷酷無比な傭兵やターミネーターのようにも見え
カッコよく見えたのだった。

リングの上でどんな場面でもいつも不機嫌そうで無表情な無骨さ。
その静かさとは対極的に垣間見せる、技の冷酷さや激しさのギャップに
背中にゾクゾクするものを感じた。
実際に彼の試合を観戦しにも何度か行った。
リアルで見る彼の試合も、そのイメージを裏切らない激しいものであった。

ところが、後に大人になった俺は、
勝手に憧れていたそのイメージが、あっさり打ち砕かれることになる。
それは俺がバイトをしていた、六本木のクラブに彼が客として訪れたからだった。

いわゆるタニマチであろう数人と訪れた彼は、
両手にホステスをはべらせ
リングやインタビューでは、見たこともないほどの満面の笑みで、
どのレスラーよりも雄弁とも言えるほどに
終始笑みを絶やさずにギャグを飛ばし語り続けていたのだ。

その姿を見て、俺はエンターテイメントの世界の大人の事情を理解した。
リングの上やテレビで見、プロレス雑誌で伝え聞く彼は、
あくまでも営業用の姿だったのだ。
俺は、見事にその作られたイメージに心酔していたのだ。

坂道を下ると
店がここであることを知らせるように通りには
彼のトレードカラーである黄色の看板が出ている。
漫画のようにコミカルに描かれたそのレスラーの絵が描いてあり、
店の名前は麺ジャラスKと書いてある。

開店祝いの花が飾られている、ビルの半地下の入り口から中に入ると
俺の憧れのレスラーだった川田利明氏が、黒いTシャツを着て厨房の中にいるのが見えた。

ここ数年はプロレスは全く見ていない俺だったが、
心がミーハーに静かに躍るのを感じた。

黒を基調とした真新しい店内には、テーブルが数個置かれ
壁際にカウンター席がある程度の簡素な作りだ。
ここの店主が有名なプロレスラーであることを明かすものは、
何一つとして飾られていない。
プロレスファンでもなければ、まったく気づかないことだろう。

客は1人客にカップルにグループ客と数人ほどがいて、
俺は、川田選手が見える厨房の正面に位置する黒いテーブルに1人座った。

メニューのラーメンには

味噌カレー麺 850
麺ジャラスK 味噌カレー麺 950
醤油麺 750
チャーシュー醤油麺 950
冷やし坦々麺 850

とあり、ほかはこの店は唐揚げが売りらしく
俺は、若い女性の店員に醤油麺とから揚げを注文した。

注文を待つ間は、俺は大画面の液晶テレビ脇の
厨房をちらちらと見ながら携帯でネットを見ながら待ったのだが、
隣のテーブルにも、若い男性客がいて厨房で忙しくしている
川田選手をずっと見続けている。
多分、熱心なプロレスファンなのだろう。

その見ている時間が、現在の憧れの度数を示しているようにも見えた。
せっかくこうして訪れたのにほかの店と同様にネットをして待ち時間を潰している俺は、
もうかつてのファンなのだろう。

厨房で、1人忙しく注文を受け黙々と作り続ける川田選手は。
リング同様に無表情ではあったが、
その姿はプロレスラーというよりも、完全に厨房に同化していて違和感がなく
1人のラーメン屋のおやじに見えた。

さて、実際のお味はいかがなものであろうか。
待たされるかと思いきや、10分ほどでラーメンと唐揚げが
奥さんらしき人に運ばれてきた。

醤油ラーメンのほうは、焦がし玉葱の風味がする澄んだスープで
味は非常にあっさりしておとなしい印象。
池袋の光麺のスープに似ていて、個人的にはインパクトに欠けているように思えた。
まずくはないのだが、無難に普通で何かが足りない。
ダシの旨みが後から追いかけてくるような深みも無い。

鳥の唐揚げは、皿に無骨にキャベツが数枚敷かれているだけで彼らしいイメージだ。
商売的にこれでいいのかは疑問だが、盛りつけに対するこだわりはないようだ。
唐揚げは、衣がからっとサクサクではなく、
いかにも家庭で揚げたようなふにゃっと柔らかい弁当屋の唐揚げのような衣。

口に運ぶと小ぶりな鶏肉が無難に美味いのだが、最初から味付けられた塩が
塩辛いのが気になった。

個人的には、どちらも普通だったとしか言えない感想で、
ここがプロレスラー川田利明の店でなかったら、果たしてどうだろうか。
普通客がリピーターとしてまた訪れるかどうか、少し疑問だ。
俺、個人にしてもこうして川田選手を見れただけで満足して完結してしまっている塩梅だ。

まだオープンしたばかりで、途上中のお店。
川田選手には、頑張ってもらいたいと思う。
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by masa3406 | 2010-06-29 01:41

日和見主義

ここ数日は、夜中に帰宅してからワールドカップを見ていて
連日、寝不足の日々が続いている。

南アフリカはちょう季節が冬なので、
よく走る守りの堅いチームが結果を出している印象だ。
この傾向は、冬の高校サッカー選手権の傾向と非常によく似ている。
冬なので、運動量が多い守備に攻撃に非常によく走るチームでも
スタミナが持ち走り続けられるからだ。
これが夏だと途中でバテてしまいこうはいかない。
そういうサッカーだとある程度実力差を埋めることが可能だ。
高校サッカーでも、よく強豪チームが格下チームに徹底的に守られて、
カウンターで失点して負ける試合がよく見受けられる。
本田と言うスペシャルな選手の力に拠るところは大きいが、
こうした気候の要素が、非常に日本のやりたいサッカーの後押しをしている。

俺が応援しているチームはすでに負けてしまったので、
後は日本戦を中心に見ているわけだけど
俺も皆のように日本の快進撃を喜ぶ反面、
連日のマスメディアから世間の
岡田監督や日本代表への総手のひら返しには、複雑な胸中でもある。

俺も戦前は、おおかたの人の予想と同じで、
日本は0勝3敗で絶対にグループリーグ敗退をすると思っていたし、
岡田監督の標榜するサッカーやメンバー選考には批判的で、
全く支持をしなかった方だ。

なので、いまさら後出しジャンケンのように手のひらを返すつもりはない。
そりゃ、俺も快進撃はうれしいし日本人だから応援はするけれども
前から岡田ジャパンを応援していました。
やっぱり岡田監督は策士であり、手腕に長けている名監督だ。
などという節操もない180度違う態度は取らないつもりだ。

お祭り好きな人が便乗をするのは、まったく構わないし
興味がない人も関心を持ってテレビ観戦をしてサッカーが盛り上がり、
最近明るい話題もなかった国に
一体感が生まれているこの楽しい現象は一ファンとしてうれしいのだが、
今回のワールドカップ前と後のあまりにも露骨な世間の態度の変化には、
世間の評価なんてものは、実にいい加減なものだと
サッカーを通して、いまあらためて認識させられた次第だ。

マスコミやファンがあれだけ批判したり、
解任しろと騒いでいたことは、全くなかった事になっているようだ。
あたかも最初から支持をしていたかのような、見事なカメレオンのような日和見主義。
節操の無さである。
逆の立場から見れば、そんな連中はとても胡散臭く
一貫性の無い信用の置けない人間だ。

所詮は他人の評価なんてものは、その程度なのである。
大して他人のことなど見ちゃいないし、人が受ける印象ひとつなのだ。
だから、そんなものを気にしたり依存したり左右されて生きていくのは、
手段としてなら別だが、必要がないことに感じる。

自分を信じてわが道を好きに生きていくのが、
最終的に正しいのだと感じた。
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by masa3406 | 2010-06-26 03:01

メンヘルな子

夜のバイト先にとある女の子がいる。
控え目でおとなしい子で、そのやわらかい笑顔のおっとりとした無害さから、
いつしか俺は、ごくごく普通の危険さがない安全な子として会話をするようになった。
タイプとしては、非常に女の子っぽい子だ。

この世界で、いろいろな意味で「普通の子」を見つけることは難しい。

彼女との会話は自然に普段の生活の話になったのだが、
やっぱり途中から、普通じゃない生活の話になり、
またもやそれを思い知らされることになる。

普段の生活で彼女は電車に乗れないので、普段の買い物や遊び
店の出勤には必ずタクシーを使うのだと言う。
電車に乗れないだって?なんて贅沢な奴だ。
確かに水商売ではそういう種の女もいるが、さすがに電車に乗ることが皆無な子は
今までに聞いたことがなかった。
車でも持っているならわかるが、そこまで極端だと東京での生活は逆に不便だ。

当然、どうして?ということで俺はそこに疑問を抱いて聞いたわけだが、

その子は深刻な過呼吸の症状を抱えていて、電車が混んでいる状態だと
恐怖を感じるらしく
その症状が出る危険性があるために乗れないのだという。
彼女は、あかの他人である俺にそれをこともなげに話す。

また自宅でも1人でいると理由もなく不安や恐怖が襲ってきて、
その症状が出ることもあるらしく
いつも薬を飲んでいるのだと言う。

いわゆるメンヘルの子なのだ。
落ち着き払って、今までの会話の延長で当たり前のようにそれを話しているけど
内容はなかなかヘビーであり、とても深刻な話だ。
普通のちょっと悩める人なら、それを他人に話すことはカミングアウトなのだろうが、
彼女にとってはその状態がこれまでの人生で長く当たり前なので、
カミングアウトの感覚もないのだと思う。

普通じゃないことが、もはや普通になってしまっているのだ。

症状は、それだけにとどまらない。
重度の不眠症も抱えていて、強力な睡眠薬がないと寝ることもできないらしく
中学生くらいから薬を飲み続けているらしい。
最大で4日間も寝なかったことがあるそうで、
長年飲み続けていることもあり、ちょっとやそっとの量では効かないんだそうだ。
だから眠りたいときは、1日に大量に薬を服用しているらしい。

さらに体に抱える問題は続き、太陽光線のアレルギーがあり
直射日光に当たるだけで熱が出るので、
ここ何年かは、夜しか行動をしていないとのことだった。

俺は運動をずっとしてきて、健康のみが取り柄のような男なので、
その薬漬けの不健康過ぎる体や生活は信じがたく
その子の話を聞いているだけでも、こちらが倒れてしまいそうな驚愕の内容だった。

睡眠をとる 太陽光線を浴びる 電車に乗る

この普通の人にとっては、日常で当たり前のことが彼女には困難で、できないのだ。

この子の体は、いったいどうなっちまっているんだ?
よく今まで生きてこれたな。とも思ってしまった。
そんな人間が、この世にいることが信じがたく
聞けば聞くほどに目の前の子が、極端に表現するなら別の生命体にすら見える。

北斗の拳に例えるなら、お前はすでに死んでいる。
状態に見えて仕方がない。
夜空を見上げたら、空には燦々と光り輝く死兆星が見えている状態だ。

それらの薬を長年服用し続けることが、人体にどんな影響を与えるのかは、
俺は専門家でもないので想像がつかないが、
そんな体のまま、そのライフスタイルのままずっと長生きできるとは思えない。

俺の友達にも社会不安障害を持つ友がいて、
そいつは精神科から処方された薬をたまにちょいとだけ服用して、
それだけで日常生活は送れているのだが、
この子のは、そんな次元ではない。
複雑に絡まった糸のようなもので、それは何重にも複雑に絡まり
もう解きほぐすことは不可能に見える。

長年薬に依存をしたりそんな生活をしていることが、
体や精神にとってのバランス取りとして、普通に馴染んでしまっているので、
この子が、今後いわゆる一般人の健常者のような生活を送ることは
ここまで行くともう無理なんじゃなかろうか。
と思ったのだ。

実は、俺も過去にメンヘルの子と付き合った経験がある。
いや、付き合ってからわかったわけだが。
その時に接し方の誤りや失敗も経験した。
その経験は、また機会があればブログでレスしたいと思う。

これまでの文章では、ただのそれらに理解のない差別や冷たい印象を抱かせるかもしれないが、
多少の免疫や理解はあるつもりではある。
だから、ここにレスしたような事は態度にはおくびにも見せていない。
深刻な顔をして、そうなんだ。大変だねえ。と聞き続けたのみである。

この子が、人間として基本的な生活が送れるようになる時が来るのだろうか?

当たり前のことを当たり前にできる 
それだけでも、もしかしたら人間は幸せなのかもしれない
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by masa3406 | 2010-06-19 13:17

男の約束

親父とちょっとした用事があり、仕事休みに親父と実家の近所に買い物に行くことになった。
俺は実家の前で車を停め
ワールドカップの選手名鑑を眺めながら、
髪を床屋に切りに行った親父を待った。

車に近づいてきた親父は、サッパリと髪が短く切り揃えられていること以外は
いつもと同じように見えた。
親父は助手席に乗り、店へと車を走らせた。

どんな話題からどんなきっかけで出た話題なのかは覚えていない。
向かう車中、親父は最近体調が思わしくないことを俺に告げた。
俺は、そこで具体的に何がどう調子が悪いのか質問をぶつけた。

親父いわく、ここ最近体がふらふらしたり
滑舌が悪くなり、うまく話せないのだという。
そこで知り合いの医者に診てもらったところ、
血管が詰まっているのがわかったのだそうだ。
つまり血栓ができているようだ。
そして、言語障害ということは脳の血管の血栓で脳血栓の可能性が高い。
脳梗塞になる可能性もある。

車中で話していて、特にどもることもないしまったく違和感を感じないのだが、
自分の体のことは自分が一番よくわかるもの。
本人が言うのだから、きっとそうなのであろう。

俺の脳裏には巨人の終身名誉監督の長島茂雄や
サッカーのオシム元監督 映画監督の大島渚が浮かんだ。
彼らは倒れてからは今でも半身に麻痺が残り、不自由な身体だ。
親父は、あの予備軍なのだ。
今後、倒れることもありうる。

人は老いるもの。
親父も年齢的にもいつ病気をしてもおかしくないわけなのだが、
こうして、ついに具体的にガタが来たのだと俺は悟った。
親父は、昔からハードにテニスをしているのに悪玉コレステロール値が高いらしい。
父方の婆ちゃんは心筋梗塞で亡くなっている。

それから、車中 親父となぜそうなったのかについて
原因を検証した結果、ある原因が導き出された。

親父は定年退職をしている身なのだが、
母親は再就職をしたのを機に帰宅が遅い時間になり、
家事 犬の散歩・トイレに至るまですべて親父が負担させられていた。

母親は、私が私がと気が強い自己顕示欲が強い性格で、
なんで働いている私が家事なんかしなきゃならないのよ。
と言うような性格だ。
定年退職をして暇なんだから、あんたが家事をやるのは当然と
喧嘩をしている呆れるような物言いをする場面にも遭遇したこともあった。
俺はそれをこいつは、一緒に住んでいたときの何にも変わってねえな。
と辟易としながら見ていた。

俺は、たまに実家に寄ったときに
よく親父が1人で買ってきた惣菜や飯を食べている姿を見た。
定年退職した親父が、1人わびしくスーパーで買った乾いたチャーハンを食べている姿は、
わびしさすら感じた。

外食や外で買った飯は塩分が多く、栄養も偏っている。
若いならまだしも、この年齢でその食生活は何かに
影響しないだろうかと心の片隅で気にはなっていが、
やはりという感じだ。
家事もほとんど親父はおっつけられていた。

俺は、根本的に食生活を改善しないともうだめな段階に来ているよ。と言った。

親父は、もし倒れたときのために俺がかけつけて病院に運べるようにと
実家の近所の病院の電話番号が書いたメモを渡した。

そして、親父は これはお袋には内緒にしておいてくれ。
正式に検査の結果が出たら言うから。
あいついろいろとうるせえからさ。

と言った。

もしかしたら親父は、母親に心配をかけまいとしているのかもしれないが、
母親は、昔から何か事が起きたりへまをしたりすると
それを本人が原因と傷口に塩を塗るように容赦なく
まくしたてる事があった。
俺も何度も責め立てられた。
時に自分の迷惑になると言うことすらある。

自分の病気を一番近くパートナーに真っ先に話せない父親。


気の毒なことに親父は、選んだカミさんが悪かったのだ。



実家に行き、親父が作ってくれたパスタを食べながら
ワールドカップのデンマーク 対 オランダ戦を見ていると
仕事から母親が帰ってきた。
母親はすぐにPCのある部屋に入っていく。

そろそろ帰る時間が来たようだ。
俺は、男の約束なので黙っていた。
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by masa3406 | 2010-06-15 06:28

死の防波堤

そこは、鹿島にある鹿島港南堤防(通称南堤)と言われている立ち入り禁止の防波堤だ。
いわば海釣りのメッカである。 いやメッカであったと言った方がいい。
それは立ち入り禁止であるからだ。

そしてそこは、ただの防波堤ではない。
なんと防波堤が沖合いに4キロもあるのだ。
http://www18.ocn.ne.jp/~turiesa1/tizu1029.htm
http://homepage2.nifty.com/shirahama_morio/kashimaport.jpg

沖合いに4キロと言うと実際はかなりの距離で、実に壮大なスケールだ。

そして、たもとに東京電力の施設があり
温水が排出されていて、魚がウヨウヨ集まって来る。
鯛 鯵 鯖 カレイ キス メバル ヒラメ イシモチと
ここで釣れる魚は枚挙に暇がないほどで、
大物がガンガン釣れることで有名なのだ。
そして、防波堤脇では伊勢海老の大物が沢山取れることでも有名だ。

立ち入り禁止なので、入り口には門があり錠がかけられているのだが、
釣り人たちにとってはこれ以上の釣り場はないというほどの
魅力的な釣り場。
それでもお構いなしに脇から侵入したり、合鍵を作って門を勝手に開けたり
夜中に侵入するなどして、
ここに集まってきて釣りをするのだそうだ。
そこで抜き打ちに警察が一斉取締りをして、不法侵入者は逮捕をされることもある。
去年の一斉取締りでは、16名もの釣り人が一斉検挙されたらしい。
それでも、ここの魅力に取りつかれた釣り人たちが集まってくるのだ。

防波堤は先端まで距離が4キロもあるので、乗ってきた車から乗り換え、
自転車でそこまで向かう者
原付バイクで向かう者もいるらしく
その話を聞いただけでも壮大なスケールである。
俺は海釣りはしないのだが、
最初にそんなスケールの防波堤があると聞いた時に
その果てしなく続く防波堤を歩いたりチャリで走ってみたいものだなあ
と思いを馳せた。
そこから見える海はさぞかし雄大で青々として、美しい光景なのではないかと。

ここには、もう1つ大きな問題があった。
防波堤は普段は波も少なく穏やかなのだが、
ひとたび海が荒れると豹変して波が防波堤を覆いつくし、
以下の写真のようになるらしいのだ。

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/doboku/01class/class29/img/PIC00008.JPG
http://dqnminus.seesaa.net/article/135648958.html

それで今までになんとわかっているだけでも、65人もの釣り人がここで波にさらわれて
亡くなっているのだそうだ。
わかっていない人も入れたら、実際は100名を超えるのではないかとも言われている。
去年の12月にもここで3名の釣り人が高波にさらわれ亡くなる事故が起こっている。
http://blog.hitachi-net.jp/archives/50959212.html

ここの入り口の門には、

立ち入り禁止

この防波堤は高波などで非常に危険です。
既に65人の死亡者を出す事故が発生しています。
関係者以外の侵入、釣り等は法により罰せられます。

と、ただの防波堤ではないことの警鐘を鳴らす
立ち入り禁止の看板が掲げられていることでも有名だ。
その65人の部分が赤い文字で書いてあり、
死亡者が出るたびに書き加えられていく
恐ろしい看板なのだ。

俺たちは、そんな堤防が実際はどんな場所なのだろうかと、
好奇心から見てみたいと思ったのだった。
要するに
いい歳をこいて、俺たちは好奇心旺盛な野次馬なのだ。

銚子から大きな利根川の河口にかかる銚子大橋を渡って国道124号を鹿島方面に車を走らせる。
このあたりは、昔から水郷と呼ばれ河川や湖沼が多く低湿地地帯で、
非常に水が豊かな土地のせいか水田が多い。
夕方なので、銚子の方に向かう対向車線が混み始めている。
30分ほど走って鹿島の市街地に近づいてくると、右の海岸部に工業地帯の赤と白の煙突が
いくつも見えてくる。
カーナビを見るとそろそろ近づいているようだ。

そこから海の方向へと右折をする。
風景は港湾の工業地帯の風景に変わり
道はだだっ広くて、いくつもの鹿島臨海の工場の広い敷地を左右に見ながら
海に向かって走らせる。
そこを左折すると右手は海の堤防になり、
風力発電所らしき巨大なプロペラがいくつも見えてくる。
寂しい海岸の工業地帯に巨大なプロペラが一定の速度で回り続け、
俺にはその風景が不気味に思えた。

前の仕事先に風力発電の施設を見るのが好きで、
何回か車で遠くまで見に出かけたという23歳くらいの
女の子が2人いた。
その話題に怪訝な顔をする俺に、風力発電所フェチなんですよ。と得意そうに答えたあの子たち。

あの連中はこんなものを見て
いったい何が楽しいのだろうか。といまあらためて思った。

そこから、車を海岸沿いに走らせると突き当たりなり左に
写真で見たような門のようなものがあった。
左には確かに電力会社の施設のようなものがある。
確かにここのようだ。

車から降りて見ると
ちょうど門が開いていて、工事関係者が出入りをしていて、
入り口には侵入を阻むように工事関係者が見張っていた。
何かの工事をしているようだ。
こんな寂しく誰も来ないような場所に来た
他県ナンバーの俺たちを、出入りする工事関係者が
怪訝そうな顔で見ていく。
中を覗くと先に延々と続く通路が見える。

http://202.93.87.188/ya/securedownload?fid=Inbox&mid=1_202927_ABRWXcoAAMbRTBMO2w2E2htJ7G4&pid=1&YY=1276317416025&file_name=100603_181232.jpg&newid=1&clean=0&inline=1&cred=fgjGIHg4M_Gt6MCsIu.zSLZ.M9GFU7nRsVRMhEXF20cyTnvKj6.xdq6O5s1OApSvxWSsodOfnHd7mhXWTgYjaGZArOc19fAYy2bqqVO7Qfs-&ts=1276317425&partner=ymail&sig=josce_VhcZ8i.IPVirYJi

そして例の看板を探すと
http://202.93.87.188/ya/securedownload?fid=Inbox&mid=1_202560_ABRWXcoAAL%2ByTBMOpgU5Gm%2F9wr8&pid=1&YY=1276317545400&file_name=100603_181536.jpg&newid=1&clean=0&inline=1&cred=rie2tWm_MvENz__4HFV3WoMJ._H6Zoy2paEFs3D8vQ_27HDAR_Cm.NlHnGZ88Kca31DzC04LNCZbFU.Se.d7FymmQDNVvITH_U5ASYt0jaI-&ts=1276317558&partner=ymail&sig=kY8RNWyA3v7RIuqCoXl2kw--

あった。
去年、亡くなった3名が加えられ
68人に更新されているではないか((;゚Д゚)

見ていたら足がすくむような思いがした。

友達と堤防を隙間から見える位置に移動すると
その物凄く長い古びたコンクリートの堤防が見える。
この堤防が高波で覆われてしまうなんて
想像がつかないくらいに海は今日は穏やかだ。

これだよ これ!心が躍る。

その距離はいままで見たこともない規模で圧巻だった。

友達と俺からは、無意識にすげええええと声が出た。

友達はサーファーでもあるので、そこまでの実際の
海に入った距離感がなんとなくわかるようで、
あそこまでは沖からかなりの距離だね。
世界クラスのサーファーじゃないと、
あそこまでの距離での波乗りは無理だね。
と言った。

そんな距離まで堤防で行けてしまうのだから、
実際に見てもこの堤防は、確かにたいした規模のものだったのだ。

門の脇はちょっとした塀があるのだが、
それを乗り越えようと思えば乗り越えられるような高さだ。
サイドから回り込めば、この堤防は簡単に侵入可能だ。
とりわけ、俺たちくらいの身長があればそれを乗り越えることは
いとも容易い。
いたちごっこで、これからも犠牲者は増え続けることであろう。

俺たちは、妙な見てきたぞ。という満足感を感じながらそこを後にしたのだった。
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by masa3406 | 2010-06-12 12:37

束縛

前回のブログにレスした既婚の友人と出かけた。
色々と調べていたら、この前行った美味い焼肉屋の大幸に姉妹店があり、
そこはさらに美味く絶品だという。
想像するだけでも涎が出てきそうだ。
友達は焼肉が大好物だ。

それならと子供ができたお祝いがてらに今回はそこに行くことにして、
あらかじめ店の予約を取っておいた。

その店は、千葉の東の端の銚子市の手前と大変遠い。
予約時間も19時30分なので、
その前に友達の車でドライブに行くことにした。

友達はサーファーでもあるので、結婚前はよく九十九里方面には出かけていて
そのあたりの地理には明るい。
とりあえず銚子から犬吠崎にでも行こうと車を走らせる。
天気はからっとした晴天でドライブ日和で爽快だ。

お互いにサッカー好きでもあるので、車中で目前に迫った
ワールドカップや日本代表の話題で盛り上がる。

途中、道の駅に寄りトイレ休憩をすることになった。
中に物販している建物があり、そこに土地の名産 野菜 花
などが売られてる。
普段の俺ならちょっとだけ見て素通りするところだが、
友達は、野菜コーナーで足を止めて野菜を熱心に見始めた。
トマトの試食までしている。
目利きをするような眼差しは、さながら夕方の買い物の主婦のようでもある。
野菜の値段にも疎い俺には、見てもさっぱりだ。

前の友達だったら、野菜コーナーで足を止めることなどなかったのに
その姿から既婚者の生活臭を感じた。

俺は、以前 葬祭関係の花屋のバイトをしていたことがあり、少しだけ花のことがわかる。
そこで、花が売られている一角で花を見てその間の時間をつぶした。
花を見ていると、気がついたら俺もさっきの友達のように
熱心に見ていた。
友達は野菜を何種類か購入していて、奥さんのご機嫌取りに買ったのだそうだ。

なんで、そんなことまでするのかを聞いたら、
奥さんは友達が夜遅くまで出かけることをあまり面白く思わないようで、
最近も留学時代の友達数人と何年以来に集まって飲み
夜中に帰宅したら、色々とブツブツ言われたのだそうだ。

そんな相手なら、会社の付き合いとか言ってごまかしておけばいいじゃん。
サラリーマンにはつき物なのだし、それなら文句も言えないだろう。
と言うも
誰と会うか どこに行くかや終わる時間も事前に根掘り葉掘り聞くらしく
それも難しいらしい。
実は今夜も帰る門限のような時間があるとの事で、
聞いているだけでも 面倒くせーと思うような管理下に置かれているようだ。

あの奥さんがねえ・・・。
人は見かけによらないものだ。

生まれながらしての個人主義で、自由人気質の俺には、
大の大人が、浮気をするわけのでもないのに
交友関係でどこに行こうが1人で出かけようが
自由だと思うのだが、おいおい そいつは小学生の母ちゃんか?
と、非常にピンとこない縛りであった。
ましてや、俺なんかは昔からの男友達なのにだ。
そいつらで飯を食いに行くことに
何を心配することがあるのか、到底理解の及ばない世界だ。

毎日365日一緒に顔をつき合わせて生活する相手
それもいい大人が、
たかが1日ちょっと友達と遊んで遅くなろうが、どこで付き合いがあろうが、
それが、自分になんの影響を与えるというのであろうか。
まるで親が外出して家で留守番をする、
不安で不安で仕方がない小さい子供のような話だ。

結婚とは面倒くさいものだ。とマイナスイメージがさらに膨らんでしまった。

それから、昭和時代のままの寂れた感じをさせる銚子の町に行き
友達が調べてきた市内の今川焼きの店で今川焼きを食べ
犬吠崎に向かった。
途中で銚子の名物の濡れ煎餅を食べたり、
犬吠崎では、海岸に下りて海を見たりしたが、
時間を見るとまだ予約の時間まで2時間ほどあった。

そこで、ここは例の「あの場所」が近いらしいぞ。
まだ時間もあるし行ってみようか。と提案してみた。
友達は目が輝き。行こう!と快諾すると
道路地図でその場所を指すとすぐにカーナビに打ち込んだ。
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by masa3406 | 2010-06-05 02:03

不安感

去年、結婚した大学時代の友人からメールが来た。
内容は奥さんに妊娠を告げられたとのことで、
喜ぶどころかドクロマークがいくつも使われ、
プレッシャーを感じて友人がかなり動揺をしている様子が伺える
文面だった。
友達は奥さんに子作りをせっつかれて、子作り活動に励んでいたそうだが
それが実を結んだわけだ。
奥さん主導による計画だったので、
いざ現実になるとこのような反応になったのであろう。

俺は、世の中には欲しくてもできない人も沢山いるわけだし、
よかったじゃないかとおめでたい内容のメールを返信したわけだが、

その翌朝に、NHKの朝の連続ドラマ 漫画家水木しげるの奥さんの半生をドラマ化をした
ゲゲゲの女房を出勤前に見ていたら、
ちょうど水木しげる役の向井理が、奥さんの役の松下奈緒に妊娠を告げられて
動揺をしてニコリともせずに固まっていて、
友人のメールが具体的な映像により、非常にリアリティを持って伝わってきた。

ドラマでは、喜んでくれないリアクションに
松下奈緒が不信感と不満を抱いて不安になる様子が描かれているのだが、
友達も引きつった笑いを出すのが限界だったそうで、
その反応に奥さんが不満そうだったらしい。

この首相も任期を待たずに次々と逃げ出して行くような
厳しい時代・先が見えない厳しい国で、
そうなるのは、責任を負う男からしたら無理もない反応だとは思う。
今までは共働きだったのが、出産したら
完全にひとりで食わせていかないとならないわけだし、
現実問題お金がかかる。

友人は、転職を考えていたわけだが
それもほぼ不可能になったことだろう。

ともあれ、子供の成長を見守る楽しみ 老後の楽しみも得たわけで
とても幸せなことだと思う。
俺なんかは、確実に老後は孤独死か野垂れ死にだ。

明日、晩飯を一緒に食いに行くので
お祝いをしようと思っている。
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by masa3406 | 2010-06-03 00:26