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刺身にタンポポを乗せるバイト

以前レスをした
去年結婚式を挙げた友達をジム仲間の試合に招待しようと
数ヶ月ぶりに電話をした。
そいつは、結婚式を挙げたときに夫婦ともども無職だったのだが、
それから後に何度か会ったときもいずれもバイトもしていない無職で、
職探しをしながら格闘技をしている所までは把握していた。
彼は実家を二世帯に改造をして、そこに居を構えていたので
家賃がかからない点が、その生活を可能たらしめているのだろうと
俺なりに解釈をしていた。

電話に出た彼に用件を伝えると
その日はちょうど彼の通う格闘技の関連の試合会場でTシャツを売る単発の
バイトをするのだそうで、都合がつかないのだと言う。

珍しいねえ。なんでそんなバイトをすることになったの?の俺の問いかけから、
彼は「現在」について口を開いた。

今の彼は、学生時代にバイトをしていた飲食店でごくたまにバイトをしながら、
相変わらず格闘技のジムに通っていて、
金に困っている彼を見かねてジムの先生が、今回紹介してくれたのだという。
それから、今夫婦で住んでいる2世帯の家を出てそこを貸して
どこか安めの部屋を借りたいのだという。

それも家賃収入が欲しいからなのだな。と理解をした。

そこから、彼はなんかいいバイトはないかな?
できれば人とあまり接しないバイトで。
たとえば、よくスーパーの後ろで黙々と刺身とか野菜とか切っている人がいるじゃん。
あんなのないかな?

と俺に聞いてきた。
つまり、黙々と1人で行える
ルーティーンで楽な作業系のバイトを望んでいるようだ。

でも、そんなバイトの時給は多分やっすいぜー。
バイトよりも早く就職活動をして一刻も早く就職したほうがいいじゃん?
お前には立派な筋道だったキャリアがあるんだし、結婚しているわけだしさ。
と心配をして返したのだが、
今は景気が悪く情勢が厳しいので、当面はバイトをしたいのだと言う。
その返事にいたるまでに迷いがないのは、切羽詰っているからであろう。
将来よりも前に今、明日のパンまでの困窮のレベルにはまだ行かないだろうが
それも遠くない状態なのだろう。

彼は去年までは有名な外資にいて収入も良かったし、
英語だけの会議もあったような会社だ。
当然、ビジネス英語も多少ではあるが話せる。
これが俺なら別だけど、
俺にとっては、彼が主婦の片手間の誰でもできるような何の学歴もいらない
バイトをすることがもったいなくて仕方がない。
これからそんなことをしていて、離婚にならなきゃいいがと心配になる。

俺と彼との付き合いは、遡る事、高校時代からになるのだが、
傾向として彼は自分の逆境時には、時に連絡すら途絶えることもあり
どこか、あまり他人に弱みを見せたがらないほうの人間だ。
俺は、いっさい困窮を話さない
顔にも態度にも出さないことで弱みを友人には見せないが、
彼は一切の連絡を絶つことでそれを隠すタイプの人間だ。

その彼が、俺にバイトの紹介を頼ってきたことや、
せっかく夫婦で住むために改築をしたばかりの実家を出る件といい
いよいよ貯金が減ってきて、経済的に厳しくなってきたのだな。と悟った。
奥さんもフルタイムの仕事ではないらしいので、
それだけではなんとかならないのであろう。

また普段は社交的である彼が、人とあまり接しない仕事でと
厭世的なリクエストをしてきたことも俺には、気掛かりな点だった。
会っていない期間になにがあったのかは知らないが、
あるいは就職活動の厳しさのせいなのか、
精神的に参っていて疲れているようだ。

厭世的な時は、本来は人は引きこもりたくなるもの。
彼がどの程度、ここ何ヶ月か就職活動をしているのかは知らないけれども
生活費や就職活動資金も厳しくなってきて、
人とは接したくないのだが仕方なく、最低限の生活費を稼がねばならない状況なのだろう。

俺も、ついこの前までは無職であり(夜のバイトだけは欠かしてはいなかったが)
経済的に困窮をしていたので、ろくな収入がない生活の厳しさ。辛さは痛いほどにわかる。
思えば、ここ2ヶ月ほど連絡がつかなかったのは、
多分、俺に誘われても遊ぶ金に事欠いていた要素もあったのだろう。

そこから、俺が経験をしてきたあまり人と接しない楽なバイトの話をしたのだが、
彼は免許はあるのだが、車を運転するバイトはどうも嫌なようで、
そっち関係は全部ダメ。
俺の夜中のバイトも女の子と接するし、カミさんもいるから厳しいだろうけど
とりあえず話すも乗り気ではない様子。

かといって以前つなぎでしていた葬儀関係のバイトも人と接しないわけにはいかないし
これから真夏なので、汗だくになるし取引先を気遣うわで、
ちょっと大変だなあと思い俺の中で却下。
郵便局の局内の葉書・手紙の集配の楽なバイトにも
乗り気じゃない反応の薄さの彼。
そこで思いつくままのネタが尽きた俺は、
スーパーに就職している友達に募集していないか聞いておくよ。
という返事になった。

友達との電話を終えてから、さっそくスーパーの社員の友達に電話をして聞いてみたが、

・現在は募集をしていない事
・ただ黙々と刺身を切っているだけではなくやる事は他にもたくさんあること
急かされたりスピードも要求されることもあること。
・パートのおばさんとコミュニケーションがかなり必要であること(ほぼ全員がパートのおばさん)
・うるさいおばさんがどこでも必ずいること
・どこのスーパーでも時給が800円ちょいと激安
 とても1000円は望めない

とかなりお勧めできない内容だった。

現実には、刺身にたんぽぽ(本当は菊)を黙々と載せ続けるだけのようなバイトは
存在しやしないのだ。

もしかしたらあの有名な
「今日もまた、刺身の上にタンポポのせる仕事が始まるお…」の悲壮感の漂うAAには、

怖いパートのおばさんに急かされながら、最後の工程に
の枕詞がつくのかもしれないのだ。

他も、ファミレスの店長をしている奴と会って、
バックにいるだけの楽な皿洗いとかないか?
と聞いたけれども
赤字店舗なので、新たにバイトを雇う余裕がないとのことで撃沈。

仕方なくそれを彼に電話をしてそのまま伝えた。
結局、俺はせっかく頼ってきてくれた彼のお役には立てなかった次第だ。

それから程なくして電話したら、彼はジム仲間の紹介で
介護関係の寝たきりの人を巡回して風呂に入れるバイトを始めることになったようだ。

楽なバイトどころか、めちゃめちゃキツそうだ。
コミュニケーション能力もかなり必要とされるのではなかろうか。
俺なら1日でギブしてしまいそうだ。
いや、エントリーすらしないと思う。

刺身にタンポポどころか
彼のリクエストとは、あまりにもかけ離れた重労働そうな内容に
果たして続くのかと心配になってしまった。
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by masa3406 | 2010-07-21 03:03

パク・ヨンハ

ちょっと古くはなるが、
パク・ヨンハさんが自殺されたことをニュースで知った。
俺にとってそれは、ちょっとした衝撃的なニュースとして伝わった。

以前いた会社で、新人時代の先輩に同行して研修を受けた
一番最初の仕事がパク・ヨンハさんのコンサートだったからだ。
その先輩について受けた現場が、たまたまパク・ヨンハの
ライブだったのだ。

俺は、それまで韓流のドラマをまったく見たことがなかったので
パク・ヨンハがどんな俳優であるか、どんな歌手なのかも当時は、
全く予備知識もないまま会場に赴いた。
冬のソナタに出ていたことすら、今回の報道で知ったほどだ。

ライブの会場は、冬のソナタの影響なのか、おばさんたちのファンの物凄い熱気に包まれていた。
後にジャニーズのコンサートにも仕事で行ったのだが、
それと比較をしても年齢以外は、キャーキャー叫ぶテンションや熱気はなんら変わりはなかった。

女の人は、何歳になっても少女時代と変わらないんだなと俺はそれを見て思った。
仮に60・70のお爺さんがAKB48のコンサートに大挙して訪れて、ペンライトを振るだろうか?
モーニング娘のコンサートに行くだろうか?
その手のには疎いし、行った事はないから知らないけど
たぶん、そんな人はいても数人くらいなのではなかろうか。

現場のパクヨンハさんは、シャイで穏やで柔和な雰囲気が漂っていて
リハでも、本番でもその温厚な人柄は表れていた。
流暢な日本語で話す彼は言葉数は多くないけれど、
彼の人を気遣い温厚な人柄が反映され安心できるような現場だった。
確か、バラードが多く安全地帯などの日本の歌手のカバー曲も歌っていた気がする。

別に彼の何を知っているわけではないが、あんな穏やかないい人そうな人が
死んでしまうことは、それが隣の国の人であれ俺には悲しい事だ。
よくもったいない人を亡くしたという言葉があるが、
それは彼のような人物に当てはあまる言葉である気がした。

やはり、どの国でもいい人ほど弱く、生き抜く事が困難な世の中なのかもしれない。

日本のファンに愛情を持って語りかけているパク・ヨンハさんのMCと
おばさんたちが規則正しく振るペンライトの光景が、今でも脳に映像として残っている。
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by masa3406 | 2010-07-11 23:05