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リストカッター

店の24歳くらいの子と会話をしていたら、今晩テキーラを飲みたいので
帰りに新宿で遅くまでやっている酒屋で買ってから帰るのだという。
その子は背が低くて童顔でロリっぽい感じの子だ。
人は自分にない要素を求めるようで、強い女に見られたい願望があるらしく
ハスキーな声に憧れているとかで、最近は声を潰そうと頑張っているのだそうだ。

いかにハスキーな声になりたいかを熱心に話すその子を見ながら、
ハスキーな声など男からの需要がほとんどないものに憧れてなろうとするなんて、
実に奇特な子だな。と思った。
ハスキーな声の女の人にとっては、喉から手が出るほどに
女の子っぽい声になりたいのではないだろうか。

この子は人懐っこくて俺によく話しかけてくるのだが、あまり会話が噛み合ってはいない。と
俺は心の中では思っている。
素で俺の意見を話すと噛み合わないので、俺には黙ってその子の話す意見を
波風を立てないように聞き続けるしか他に術はない。
彼女が話したいことを話させて、俺は適当に相槌を打っておけばいいのだ。

家庭環境もかなり複雑そうで、高校在学時からこの世界で生きてきたというその子は、
おおらかでいい子ではあるが、
俺には、色々な面でとても遠い存在であることを感じさせる子だ。
俺は夜の世界で話が合う・意見が合う(話が噛み合う)子は、夜は副業で昼職をしていたり
意見や考えが明確でしっかりしているタイプなので、
この子は、その正反対のタイプで、俺からしたらエイリアンのような存在だ。

昨日は、前の彼氏をいかに引きずっているかについて熱弁を奮われた。
そして今、仲良くしている彼氏候補の男の話をすることが、彼女の元気の源のようだ。

その子はワインで、すぐに酔ってしまうほど酒に弱い。
酔うとふにゃふにゃして、わけがわからないことで笑い出して
酒に強く大して変わらない俺にとっては、これまた不気味だ。

そんな酒に弱いその子が、またどうしてテキーラなんて強い酒を飲む気になったの?
と聞くと、

ぶっちゃけてもいい?
リスカするよりも、強いお酒で寝たいと思ったの。

・・・。

この子はメンヘル系の子だったのか。

下手に話を掘り起こさないように、気をつけねば。と思った俺は、

それなら今夜は酒を飲んでぐっすりと寝るといいよ。
とだけやさしく返した。

この副業も、もう長くはやりたくないなと思った。
俺も、そろそろリセットして普通の環境だけで生きて行く時期なのではないだろうか。
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by masa3406 | 2010-10-27 05:59

難しさ

日曜日にロッテファンの友人とプロ野球のCSのロッテVS西武を西武ドームで
観戦してきた。
友人は気合が入っていて、ロッテのビジター用の黒いユニフォームを
着て待ち合わせ場所に現れた。
その格好で、地元の駅から電車に乗り継いできたのだ。

所沢の奥地にある西武球場前駅を降りると、駅前から人で大混雑していた。
以前、プロ野球の仕事をしていた俺にも
西武ドームにこんなに人がつめ掛けたのを始めて見た。と言えるほど
超満員の人々と熱気だった。

人の波に追従しながらようやく球場内に入れた俺は友人に付き合い、
真っ黒な集団のロッテの応援団側の後ろあたりで立ったまま観戦をした。
友人は気を利かせてビールを俺の分も買って来てくれて、2人でそれを飲んだ。
デーゲームで、吹き抜けの球場の所沢の田舎の澄んだ空気が心地よかった。

試合は先制点と追加点を取られたロッテが粘り強く追い上げて、
その展開に真っ黒なユニフォームを着たロッテファンが
声を枯らして盛り上がりに盛り上がっていた。

俺の応援するベイスターズは、開幕から早々に優勝戦線から離脱をして
毎年、シーズン序盤からすでに消化試合みたいなもので、
目の前で繰り広げられている、しびれるような試合とはとんと無縁だった。

大舞台の1点を争うハラハラするような緊張感のある試合は、
拮抗した強いチーム同士が織り成すから成り立つわけで、
投打ともに戦力が脆弱で、ちぐはぐな試合しかできないベイスターズには、とても無理な話だった。

こうした緊迫した大舞台の試合に参加をできる両チームのファン達が、
俺にはとてもうらやましかった。

勝負事は強くないと面白くないのだ。

試合は延長戦を制したロッテが、CSの2S進出を決めた。
俺たちは祝杯をあげに
そこから池袋に向かって友人がお勧めのラム肉ジンギスカンの店に行った。

再び生ビールで乾杯をする。
こうして友人と飲むのは2ヶ月ぶりのことだ。
好きな野球も見れたし、今日は言うことが無い。
西武ドームは非常に遠くて疲れたけれども、なにかとても幸せな気分だ。

ジンギスカンをつつきながら友人の近況話を聞くと、
実は友人は今月で会社を辞めることにしたのだそうだ。
言われて見れば、土日祝祭日は休みが取れない彼には珍しい事だし、
いつも仕事を優先させてきた彼が、今日は珍しいことに有給を使って休みを取ったらしい。

言葉の端々から会社への不満が垣間見え、辞めることにしたのも今月になってからとのことだそうで
よほど彼の腹に据えかねるようなことが起こったのだろうな。
と俺は思った。
具体的な内容こそは話さないものの、それを話す友人は、
今まで信じてきたものを裏切られたような人の目をしていた。

多分、俺が前職を辞めたときと同じように、突然思い立って辞めることにしたのだろう。
あの時の俺は、諦観と怒りが入り混じったなんとも表現できない気分だった。

すでに今月一杯で辞めることは決まっているらしく、残りはたまりにたまった有給を
すべて消化して辞めるつもりなのだそうだ。
拘束時間が長く休みも少なく、時にその少ない休みさえ返上して働いてきた、
会社にすべて身を捧げてきた彼のその発言は、彼なりの最後の会社への復讐なのかな感じた。
以前の彼なら、辞めるにしろ最後まで仕事をするタイプの人間だったからだ。

今後は未定で、しばらく休んだらとりあえずは金を貯めたいから
ガテン系の仕事でも何でもするよ。と先ほどとは一転してさばさばした表情で言った。

俺は、とりあえずゆっくり休んで、今までできなかった好きな事でもするといいよ。
と言った。

俺たちの世代は卒業してからもずっと不景気・氷河期の世代だ。
こうして転職をする友人も多く、仕事の待遇面でも苦労することも多く
同世代の仲間の安住の地を見つけることの難しさをまた感じた。

俺の生き方は論外だが、彼のようなずっと頑張ってきた人間は、
いつか報われる日が来て欲しいと切に願う。
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by masa3406 | 2010-10-14 06:18

義務

ここのところ仕事が多忙すぎて、帰宅すると寝てしまう日々で、
ネットをする時間すら事欠く生活だ。

仕事をしていなかった時は、金欠だけど家でネットをしたり、のんびり考える時間があったのだが、
今は自分の時間がなさ過ぎる。
家に帰るときに疲れた顔をしているねえ。といつも言われる。のだが、
その通り俺は疲れている。

心身ともに疲れているときは、俺は1人でマイペースに過ごすことこそが癒しなので、
これを言ってはお終いなのだが、この生活には彼女の存在が微妙だ。
そんな時は、デートをすることよりも
俺は焼き鳥屋のカウンターで、1人ちびりちびりと酒でも一杯やりたいタイプの人間なのだ。

金のない生活も不自由で辛かったけど、
今の生活の自分の時間のなさからくる不自由さも辛い。
定収入がある分だけ、今の方がマシなのだろうか?

金が入るということは、最低限、誰にも親にも迷惑をかけずに済む。のだから。
今、他人様に言える事はたったそれだけのことだ。
世の中で、俺は生きていて義務を果たしていると声高に主張する人がいるけど、
もしかしたらそれは、俺のように好きではないことをしている人なのかもしれない。

仕事を始めてから自分が変わったことと言えば、
無職のときは切り詰めていた外食を、食べたいものを気にせずに食べるようになったくらいだ。
その瞬間だけは、かすかに幸せを感じることはできる。
俺は食べることが好きだから。

あとは、一緒に試合に行ったときのジムの後輩に、
財布を気にせずに心置きなくご馳走をしてあげられることくらいだろうか。

仕事場では、口を開くと気がついたら愚痴ってしまいそうなので、
あまり、無駄口を叩かないようにしている。
口は災いの元。だから。

明日は久しぶりに休みを取り、身売りをすることがほぼ確定的となっている
昔から応援してきた横浜ベイスターズの最終戦を
ファンとしては、居ても立ってもいられずに1人横浜に観戦しに行くことにした。
俺が応援してきたチームの結末も、皮肉なことに俺同様にしょぼいものだ。

親会社がオフに大金をかけて大型補強をして、
電通から引っ張ってきた新社長が、笛吹けど踊らぬ不甲斐ない選手たちは、
さながら小学生から、親がお金をかけて家庭教師をつけたり勉強しろと尻を叩き続けても
まったく期待に応えなかった残念な俺のようでもある。

せめて応援するチームくらいは夢を見たいものだが、
どうやら俺にはそれも叶わぬものらしい。

よく学生時代、友と観戦をして乗った帰りの横須賀線の中で、
俺は何を思うのだろうか。
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by masa3406 | 2010-10-07 05:12