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小便横丁

新宿に行った帰りに、1人でふらりと
西口の通称、小便(しょんべん)横丁に立ち寄り、うなぎの店 かぶとに行った。

今は、思い出横丁となっているが、その名前の由来は、昔は酔っ払いが小便をしていくからか
ここはしょん横と呼ばれていた。
ここに焼き鳥やらいろんなカウンターしかない狭い飲み屋が、ごちゃごちゃと軒を連ねていて
さながら戦後の闇市のような雰囲気だ。
その中手に入った右側に、このかぶとという 有名なうなぎ屋がある。

http://gourmet.livedoor.com/restaurant/6331/

ここもカウンターのみの小汚い狭い店で、うなぎのいろんな部位を
焼き鳥みたいに串に刺した方式で、出してくれる店だ。
最初に塩かタレかを選ぶのだが
それに山椒をふりかけて食べると
うなぎのゼラチン質の脂が口の中で溶け、これらはもう絶品なのだ。
無職になってからは、とんとご無沙汰で久しぶりの来訪だった。

ここに来た客は、誰もが「一通り」というメニューを注文する。
これはいろんな部位の、
うなぎのレバー 肝 ひれ えり 蒲焼がコースで出てくる。
どれも脂が乗りコクがあり、蒲焼も焼き鳥の串で食べるのも
なかなかの美味さだ。

追加で、裏メニューの頭の部分の 「まる」を頼む。
中の小さい頭蓋骨がコリッするが、ほかは脂肪分でこれもまた
脂が乗って美味い。

これらがまたビールと合い美味いのだ。
会計をすると、
じゃあ2万1900円ね。という、あまりにも古いギャグで親父が返してきて
とっさに返しに困ったが。
じゃあ、俺も財布から出した3千円を3万円と返すべきだったのだろうか。

そうしたら、親父もご満悦だったのだろうか。

美味いものを食べるとその瞬間、
人は幸せな気分になれる気がする。
こんなひと時が、俺には十分な幸せをもたらした。
帰りの電車でも、ほろ酔い加減でなんとも心地よかった。

俺本来は、ダメ人間で
労働は基本的にあまり好きではないが、
これのためだけでも、十分に働くことの理由になるのかもしれないな
と思った。
by masa3406 | 2009-12-12 16:19


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