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生活臭

1年数ヶ月ぶりに既婚の小学生からの付き合いの高校時代の友達と飲みに行った。
待ち合わせた駅で会うとずいぶん太っていて驚いた。
聞くと10kgは体重が増えたのだという。
ストレス太りなのだろうか?
わずか1年ちょっとで随分と変わるものだ。
すっかり外見が、家庭持ちのおっさんみたいな雰囲気になっていた。

この友達とは、独身時代はよくドライブをしたり
2人で出かけたものだったが、
結婚してからは、時たまメールの交換はするものの
ここ数年は、なかなか会う時間がなく、会う機会が減っていた。

予約していた美味い焼き鳥屋で、同級生の近況話や
お互いの昔話をしながら酒を飲み語り合った。
それらの話題がひと段落して、その友達の
最近は休みは何をしているのかを聞いてみた。

俺がこういう風に振るのは、
そいつが人生で、『いま』何を楽しんでいるのかを知りたいからで、
これは会う友達誰でも何気ない感じに振る質問でもあった。

それに対する答えは、なんとも話題に乏しいものだった。

仕事量が多いときは、土日に家に持ち帰ってしているか、
その他の時間は、飼っている犬と鳥の世話をしているとの答えだった。
大型連休は奥さんの田舎に行くパターンらしく
基本的にプライベートの時間は奥さんと過ごしていて、
他の友達付き合いも全くしていないとのことだった。

その答えからは、何か話題が膨らんだり発展するような要素は微塵もなかった。
俺も、へえーそうなんだー。と返すしかなかった。

友達は、独身である俺の反応を悟ったかのように
今は家庭を守るだけで必死と言うか、
今の自分は完全に守りに入っているよ。と心境を語った。

俺にとってそれは刺激にも乏しく、なんとも若年寄りのような答えに聞こえた。
子供でもいればわかるのだが。。。

明らかに余計なお世話なのだけど
つまんねえなあ・・・。なんとも世間が狭いなあ。
などとそれを聞きながら思ってもしまった。


昔は不器用なほどにマイペースで破天荒なところもあり、
自分の考えのままに動く自由で面白い奴だったのだが、
こうも結婚しただけで、
家庭にビッタリで保守的な人間に変わっちまうんだなあ。
と残念な気持ちになった。

そのような生活をしていたら、あくまでも夫婦2人だけの世界でしかないのだから、
当然、対外的な外部の人間に対しての話題も減るわけである。

俺が小学生から一緒に過ごしてきた、かつてのそいつとは違い
別人のようにスケールダウンして見えた。
もう、前とは感性や生活観もすっかり変わっちまったんだな。
なんて寂しくも感じた。
前にそいつが持っていた
俺たちに共通していた価値観であった自由な雰囲気は微塵もなく
すっかり家庭に取り込まれた姿でしかなかった。

俺の母親は人付き合いも多く
稽古事や趣味の音楽や海外旅行と
プライベートも自分の好きに常にアクティブに行動している人間だった。
今でもそれは変わっていない。
親父も好きなスポーツをしたり、音楽会に出かけたりときに旅行に出かけたり、
両親ともに休日はお互いに別々に好きなことをして過ごしてた。
俺は幼少からそんな家庭で育った。
だから、結婚しても夫婦別々の時間もある
そういうのが当たり前の生活だとも思っていた。

それだけにそういう夫婦常に一緒に行動をして、
一緒に過ごす生活は、俺には聞いているだけで
息苦しくて耐えがたく感じてしまうことだった。

夫婦が、お互いに好きな趣味をしたり
友達付き合いをしたり、お互い別の人生観があって
それを持ち寄って刺激をし合って暮らしていける関係。
お互いに持ち寄る話題がある家庭。
そういうのが、俺には結婚生活だと思っていた。

だから、友達がなんか生活臭に満ちた
別の人間に見えてしまったのだった。
もちろん、結婚生活なんて各々違うわけだし
当人が幸せなんだからそれはそれでいいし
大きなお世話なのはわかっている。

けど、なんかもう違うんだなあ。
大分、俺とは世界観が変わってしまったんだなあ。
と感じさせた出来事だった。

とても存在が遠くに感じたし、いまや奥さんとそいつがセットにも見えた。

人間は感性や価値観 生活観は時の経過とともに変化していくもので、
楽しかったつるんでいたあの頃は、もう二度と戻っては来ないのだ。
ということを気づかされた再会であった。
by masa3406 | 2010-02-28 04:53


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