キック馬鹿

近ごろ仕事で色々と疲れたというか、日々の生活に飽きたというか
リフレッシュするために明日から2日ほど有給で休むことにした。
1人でゆっくりしたいと思った。
1人で将来のことなどじっくり考えたりして過ごそうと思った。
これから生きて行くのに、自分にとって一番なにがいいんだろうかとか
最近色々と考える。
このままではいけないなと焦りもあって、落ち込んだりはないがあまり愉快な気分ではない心境だ。

火曜日は応援をする横浜ベイスターズの開幕戦が
デーゲームであるので、1人で観戦でもしてこようかと思っている。

ジムの関係の人の親族のお通夜があって列席をしたのだが、
皆が静粛にご焼香の列に並んでいると目を疑うような光景が飛び込んできた。

少し前で列に並んでいたジムのOBのお偉いさんが
最近試合で勝ったジム生がすぐ後ろに並んでいるのを見るや、
おい!この前の試合おめでとう!と笑顔で話しかけていた。

お通夜で おめでとうだって!? ちょwwwwいくらなんでも、それはまずいだろ
なんてスーパー不謹慎な人だ。

列の先の親族席には、親を亡くしたその人の彼の過去の教え子が座っているというのにだ。
近しいわけでもない俺ですら、彼は今どんな顔・気持ちで座っているのだろうかとか、
悲しいのを見せまいとお通夜の席で気を張って大変であろうと
心中を慮んばかっていたのにだ。

話はそれだけに留まらなかった。
その人は昔の現役時代は強い選手だったのだが、
今度は、その人に手振り身振りでああいう相手にはこういう攻撃がいいんだぞ
なんて、身振り手振りを交えながら技術論の熱弁を奮っていた。

ちょwwここはジムや後楽園ホールじゃないぞw

俺は、いまだかつて見たことがない、あまりにもエキセントリックな光景に
呆れて隣にいた中学生と互いに顔を見合わせてしまったほどだった。
俺も中学生も、唖然として半笑い顔だった。
笑い事ではないのだけど、非常識を通り越すと笑いたくなるものだ。

その人は分別を通り越すほどのもういい歳なのに
これが本当の『キック馬鹿』というものであろう。
馬鹿もここまで来るとたいしたもんだ。

帰り道も、中学生とその話題で持ちきりだった。
子供なりにも信じられない異様な行動に映っていたのだ。
弟子が親族の亡くしている席でもお構いなしにキックの話とは、
意味は違うが、この人こそ本当の『キックの鬼』だ。

その後 別室で列席者に寿司などの料理とビールが振舞われたわけだが、
格闘技関係者が多いとあって、みんなその席で格闘技関係の話ばかりしていた。
恥ずかしながら、俺も中学生と一緒にしっかりと参加をしていたわけだけど。
確かに故人の親族とは皆面識がないのだが、
ここまで遺族を気遣った話題がまったく出ない席も珍しいものだと違和感を感じた席だった。

皆いい大人なのに組織に所属した社会人経験の乏しさから来るのだろうか、
共通して悪気はないのだが、悪気がないがゆえに時として残酷な無邪気さが
非常識な形となって出てしまう。
アダルトチルドレン達なのだ。
そんな人たちを見るに、やっぱり独特な格闘技の世界ならではだなと思った。
ある意味、空気が読めない変人だったりどこかずれた人間の集まりなのだ。
そんな世界の居心地が悪くない俺も、どこか変わった人間なのかもしれないが。

よく親父にスポーツ馬鹿になってはいけないと言われたものだが、
その言葉をその日ほど感じたことはなかった。
by masa3406 | 2011-04-11 05:49


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