生死の淵

以前レスをした肝梗塞の友人が、また死にかけたらしく
この蒸し暑さで自宅で魔女の宅急便を見ながらひっくり返っていると、
その事を知らせに共通の京都の友人から電話がかかってきた。
彼は、なかなか東京までお見舞いに行けないので電話をして
様子を見てきて欲しいと頼まれた。
以前、故郷に行こうかと電話で話してはいたけど、父親のアドバイスなんかも聞いて、
現実的に無理だなと思ってたまに連絡を取る程度にしていた。

さっそく翌日、病院に入院する友人に電話をすると
幾分呂律がしっかりしていないものの、頭はしっかりしているらしく普通に会話の
キャッチボールはできて安心をする。
今度は家で静脈瘤からくる大量の血を吐いて倒れて救急車で運ばれたらしく、
3日間生死をさ迷い、その間3回ほど心停止をしたとのことだった。

家族もいつ死んでしまうかわからないと3日間立ち会っていたらしく、
そこから、ようやくこうして話せるまでに会話をできる状態になったようだ。
彼はちょうど歩行のリハビリ最中に俺に電話をかけてきてくれたのだ。

原因はまた酒を飲んでしまったらしかったが、彼は体調が悪く以前よりは酒量はかなり減っているはずなので、
今の体では肝臓が完全に機能停止してしまっている状態なので、
もはや微量でも駄目なのだろう。

これは前日の京都の友人から聞いた話なのだが、
人間は肝臓がダメになると、腎臓である程度機能をまかなおうとするらしいが
今度は腎臓の調子も悪くなってきたとのことだった。

これも友人の情報なのだが、なにか日本では症例が殆どない妙な病気にも今回はかかっているらしく
医者もそれについては手の打ちようがないらしかった。
多分、抵抗力が弱まっているので合併症が併発しているのだろう。
一応、静脈瘤はすべて取り除いたようだけど、
もう合併症のデパートのような状態で、これを治したらと言える段階ではないようだ。
彼は、今月に退院できると話していたけどあくまでも対症療法なのだろう。
俺も、もうどこがとは聞く段階ではないので病気については悪いので聞かなかった。

彼は、故郷の病院に入院したときと、自宅で吐血をして心停止をした時と
そして今回。
実に3回も生死をさ迷っているのだ。
うち4回は心停止をしているし、
いずれも発見が少しでも遅ければ死んでいたわけで、
京都の友達とも話したのだが、もういつそうなってもおかしくないんだなと
俺たちなりに小さな覚悟のようなものができた。
とはいっても、こんな経験は初めてなのでお互いに実感はないのだけれど。

ちなみに、今回は意識がないときに何度か心停止をしたので、
いずれも死ぬときの感覚はなかったらしい。

彼の代名詞ともいえる、食欲はほとんどないらしく病院の飯を薬だと思って流し込んでいると言っていた。
それでも半分は残してしまうのだという。
中身を聞くと、一応肉が出ているので多少は食べられるのだと安心をする。
体重は?と聞くと腹水と血が発生してそれが腹に貯まってウエストが1メートルを超えてしまって、
その分体重が増えているようだ。

病院の場所を聞くと都下でなかなか遠い場所だ。
近いうちにお見舞いに行くからさ。ちょっと顔を見せる程度だから。と言うと
いいよいいよ。何度も悪いし、外回りのついででいいからさ。
と彼。

元気なころ、大好きで通っていたもつ焼き屋のもつなら食べたいと思う?
と聞くと、
それだけは量食べるのは無理だけど食べたいと言う。
この食欲のない状況でそれを言うと言うことは、真の願望なのだろう。
もう通うことが不可能な彼の、ささやかな願いを叶えてあげたいなと思った。

そのもつ焼き屋はテイクアウトは無理なんだけど、俺もいきつけなので
いつもやさしく接してくれる親父さんに理由を説明して
彼に近いうちにお見舞いのときに少し持っていってあげようと思った。
食べれるかどうかはわからないけれども、彼が愛したもつ焼きを一目見せてあげたいなと思った。

じゃあリハビリの続きがあるからと言う彼に、
必ずお見舞いに行くからと約束をして電話を切った。

もう、何回会えるかわからないけど彼の笑顔に会って来ようと思う。
by masa3406 | 2011-07-09 21:49


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