撮り鉄

ネットを見たら、昨今の鉄道を撮影するオタク「撮り鉄」が、
電車をホームから撮影するためにカメラを遮ったり、
カメラに入る乗客を邪魔だと怒鳴りつけたり、
撮影するためにホームから近づきすぎて電車を止めたりする輩がいて、
撮り鉄は異常だという論調で語られて叩きに叩かれていた。

何を隠そうこの俺も、小学生時代は電車が好きだった。
実家に車がなかった俺は、物心がついた時から親とどこに行くにも
電車だった。

当時はあちこちにカラフルで個性的な車両が走っていて、
それで、いつの間にか鉄道の車両に興味を覚えたのだろう。

小学生時代は、1人でも電車に乗りに行ったり
わざと通学の電車を乗り過ごして遠くまで行ってみたり、
そこから私鉄に乗り換えて乗ってみたりと、
好奇心の赴くままにあちこちの電車に乗りに行った記憶がある。

親に、なんで学校から帰るのがこんな遅いの!とよく怒られたものだ。

ときに同級生3人で、新しい電車が開業したり新しい駅ができたらさっそく
開業日に乗りに行ったものだ。
小学生3人で西船橋の駅で食べた立ち食いそばの味は、今でも忘れられない。

入っていたサッカークラブの合宿で、よく長野県の菅平に行ったのだが
その時もワクワクしながら電車の車窓をひたすら見ていた記憶がある。

まあ、野球が好きだったり漫画 ゴジラ 怪獣 プラモ ヒーローもの プロレス ゲーム
 サイクリングの自転車 スケボー ローラースケート
と他にも好きなものは尽きることなく
浮気性であまり一貫性のない奴だったわけだけど、
俺の小学生当時の将来の夢は、電車の運転手かプロ野球選手だった。

そんな俺も、父親のカメラを借りて何回か電車を撮りに行ったことがあった。
それは本格的なものではなく、
ほとんどがホームから気に入った電車を撮る程度のものだったけど。

だけに、その撮影している人の気持ちが少しはわからなくもないのだ。

大学時代にこんなことがあった。

当時栃木県に住んでいた俺は東京から泊まりに来た友達2人と
ドライブに行った帰りに、鬼怒川の河川敷をぶらぶらしながら遊んでいた。

高校時代野球部だった俺らは、それは野球をやっていた人間の習性といってもいいいだろう。
いつしか、次々に川に向かって石を投げ込み始めた。

どれだけ遠投ができるかと水平に投げて何回はねるかを競う、よくある遊びだ。
何投かしたころだろうか、

(`o´)コラ~ッ!!という怒号とともに血相を変えた50代くらいのオッサンが河原の大きな石を持って、
俺たちに向かって走ってくるではないか!

あの大きな石で俺たちの頭をカチ割るつもりなんだろう

こいつはマジキチか?ぶっ殺されるわ!!

尋常ではない殺気と迫りくる身の危険に焦った俺たちは、その場から脱兎のごとく逃げ出した。
逃走しながら振り返ると、そのオヤジは追いかけることをあきらめたのか、
石を抱えたまま、また川原へと戻っていった。

い、今のはなんだったんだ? 石を投げてなんであんなに怒ってるんだ?
思わず顔を見合わせる俺たち。

石投げをしていなかった度胸がある1人の奴が、その親父のところに行って、なんなんだよ?
と文句を言いに行ったら、釣りしているのに邪魔されてつい怒ってしまった。
やりすぎたから、謝っておいてくれと言われたとのことだった。

戻ってきたそいつにそれを告げられて、河川を見ると釣り竿がいくつか仕掛けてあることに気づいた。

俺たちが石を投げたので、魚が逃げてしまって釣りにならないので、
それで爆発したのだ。

まだ若かった俺は、だけど、ここはそのおっさん専用の河川敷じゃないよな。
公共の場所じゃねえか。
なんで、怒られなきゃなんないんだよ。
と、どこか釈然としない気持ちのまま、俺たちはそこから引き上げたのだった。

ホームで鉄道を撮影する人の願望は、お目当ての鉄道車両のみをカメラに収めたい。
ベストショットやいい角度があるのでそれを撮りたい。
そのシャッターチャンスは限られていて一瞬が勝負。

さっきの釣り人ではないが、朝から場所を取り
セッティングをしてその瞬間に懸けて集中をしていて
それが妨げられて、準備してきたのに思い通りに行かなくてあー!もう!と激昂するのだと思う。
三脚まで持参をして撮影をするような人は、半ばプロみたいなもので職人気質でもある。

例えるなら、グラビアアイドルのベストショット いい表情をする千差一隅のチャンスを逃さんと
撮ることに集中しているプロカメラマンの心境といってもいいだろうか。

さっきの釣り人ではないけど、ただそこに熱中していて馬鹿になっていて必死なのだ。

だったら、公共の場所でやるなよ。
マナーを守れよって話であって、肯定的なことは一切レスするつもりはないんだけど、
異次元の気違いみたいな論調が多くて、それだけは残念な話で、
ただただ純粋にベストショットを撮りたいがゆえ
そこを追求したらこうなってしまいましたの根は純粋で馬鹿な連中。

それにはそういった背景があるということを、ちょっとだけ理解してもらえたらとは思う。
by masa3406 | 2013-02-24 02:57


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