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安心できる場所

故郷の街で高校時代の同級生と彼の仕事終わりの遅い時間に会った。
彼の家の下で待ち合わせて駅向こうのファミレスに行く。

彼は週休1日もない生活のようで、明日も6時起きとのことだった。
よくそんな生活ができるよなあ。
それでいて、彼は疲れきった様子でもない。
むしろ充実してそうな雰囲気すらある。
きっとその仕事が嫌いじゃないんだろう。
嫌いだったらストレスも相まって、死にそうな顔になっていることだろう。

大柄な彼とファミレスに入ると彼は開口一番生ビールを頼んだ。
自分は今日は花火大会に行き、それから実家に寄って飯を食べてきたので、
ドリンクバーだけにした。
彼は、そこから単品をいくつも頼んだ。
相変わらず、よく食べる奴だ。
彼と外食をするとやたらと頼むので、なんてことのない店でも
そこそこの金額が行ってしまう。
前に安楽亭で1万円超えたときはびっくりした。
実家に住んでいるのだけど、それにしても無駄遣いだろうよ。といつも俺はそれを見て思う。

食べる量がリアル孤独のグルメに近いよ。

彼はプロ野球チームのファンクラブに入るほどプロ野球が好きなのだけど、
今年はまだ1試合も観戦に行けていないのだという。
彼とは何回も観戦しているので今年は1回は行こうぜ。
そう約束した。

そこから近況話になり、最近あっちの方はどうよ?と彼女の話になった。
彼は高校時代は真面目だったものの、卒業してからは女好きで、女性が切れないタイプだ。
時に二股三股していたときもあるほどだ。
彼のどこにそれだけモテる秘密や武器があるのか、俺や他の同級生にも皆目わからない謎なのだけど、
女性に対して身長が高く大柄な彼は積極的で強気だ。

すると、なんと今は年齢が近い彼女のほかに20歳そこそこの子とも関係を持ち、コンスタントに
会っているのだという。
この週休日がない生活でも、やはり彼は彼だった。

彼はすかさず、もう1杯生ビールを頼んだ。

すげえバイタリティーだ。
俺が彼の生活になったら、おそらくぶっ潰れて仕事以外はなにもできないことだろう。
彼女すらほとんど会うこともなくなりかねない。
俺は仕事がキツイと家に帰って、自分の世界にこもりたくなるタイプだ。
それか親しい弱音を吐ける友人と会うだけだ。
自分のことで手一杯になるのだ。

生命体としての強さが俺とはまるで比較にならない。
そういうみなぎる強さが、また女性を虜にしてグイグイと引っ張っていくに違いない。
俺みたいな弱々しい男は、生命体として淘汰される側だ。

そんな彼だけど、付き合う女性の数は人一倍多いのに、不思議と結婚はおろか
同棲をしたという話を一度も聞いたことがなかった。
こういう女性が切れないタイプは、おおむね傾向としてさみしがり屋と相場は決まっているのだが、
これはどうした矛盾だろうか。
彼は、同じ故郷のこの街にある実家から、どんな彼女と付き合おうが離れることはなかった。

いつぞやの長く付き合った彼女は、あまりにも彼が結婚しようとしないので、業を煮やしてやがて
故郷に戻りそのまま音信不通になった。

それに懲りることもなく今の適齢期の彼女が結婚願望が強くて、それで困っているとこぼしている。
それは無理もないだろうよ。その彼女もかわいそうだ。

その子と結婚したくない理由でもあるの?と聞くと
他人と一緒に生活するとか考えられないし無理!
と俺は絶対に無理だぜ~といった表情で、いかに無理かを堰を切ったように語りだした。

ベットも別々じゃないと、自分のかたちで寝れないから嫌らしく、
いつも繊細には思えない彼が、意外なところが神経質なことに驚く。
俺は一人っ子なので、人とずっといる生活だと疲れを伴う。

例えば、仕事で疲れて帰ってきて、その上 帰宅しても人に気を遣わないとならない生活になったら、
家にもどこにも自分の身の置き所がなくなってしまう。

自分が自分らしくいられるところが、唯一の家という場所なのだ。
俺とは違う理由だろうが、人と生活をするのが嫌な気持ちはわからなくもなかった。

彼もどこか深層部分では女性に心を許せていないのではないだろうか。
だから、そこまで嫌がるのではないかと思う。

彼女が何人いようが、案外人なんて孤独なものなのだろう。
意外な共通点を見て、なんか親近感を覚えた日だった。
by masa3406 | 2013-08-04 16:38


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