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優しさ

土曜日、予定通りに友達を接骨医に車で連れて行くことにする。
朝起きたら、幸いにして熱はかなり下がっていて体調は悪くないようだ。
わき腹だけはズキズキと痛むのでサロンパスを貼る。

天気はとてもよく、暑すぎずに久しぶりの地元は懐かしい。
友達を連れ立ち接骨医のある場所に行くが、
あった場所はシャッターが閉まっていて空き店舗になっていて、
移転場所の張り紙がしてあった。

地図を頼りに向かうと、小さい時によく遊んだ公園の向かいに
3階立ての煉瓦調の新築の建物の1階に移転した接骨医があった。
ここの先生は、俺が小学生から通っていた
近所で有名な接骨医のお爺さん先生のお弟子さんだった人だ。
お爺さん先生は、引退して数年前に亡くなっていた。

その当時は、もう1人お弟子さんがいてお弟子さんは2人とも話し好きで、
互いにボケと突っ込みをしたり治療に来る人に冗談を言ったり
そこは、ちょっとした井戸端会議場みたいな楽しい雰囲気だった。
とりわけその先生は、初対面でも、老若男女 すぐに懐に入ってくる気さくな人で
冗談も面白くその場を明るくする人で、子供から女の子から色んな人に慕われていた。
一人っ子だった俺には、その治療院の自分の家にはない
そこはかとない明るく暖かい雰囲気が大好きだった。

よく通った小学生だった頃の俺は親が共働きで寂しがりやで、
大人でも懐に入っていきその寂しさから人懐っこく、
今よりも自分の感情に素直に他人に表現できていた気がした。
目も曇りなくとても素直だったと思う。

いつの間にか大人になった俺は、友達以外には他人とどこか距離を置き
他人に弱みや自分の感情を見せまいと
素直に感情を表現することが少なくなった、できなくなった気がする。

確か、その先生は中卒で北海道から出てきてこの道に入ったようなことを
かつて聞いた記憶があった。
それからずっと地道に修行を続けてあれから10何年経過して
こうしてようやく新築で家を建てて治療院を構えるほどになったのだ。
俺は1つ仕事を地道に続けて、順調にステップを着実に登った人間の素晴らしさ
偉大さをあらためて感じた。
当然、そこにいくまでに様々な苦労もあったことだろう。

そして、何ひとつとして続かず何も積み上げてきていない自分を恥じた。
だらだらと生きてきた俺には、何もないのだ。

友達を連れて中に入ると、先生は昔と同じで初対面の友達に冗談を言い
すぐに打ち解けていた。
友達も自分の話を先生にしだしている。
さすがだ。
窓の外のもらったというミニクーパーを俺に愛車なんだと嬉しそうに見せる表情は、
俺が中学生の時に見た表情そのままだった。
非常に懐かしかった。

俺は治療が終わった友達と飯を食って家まで送り届けると、
PCのトラブルを解決するために次の予定地であるメル友の家へと向かった。

場所は家から1時間半ほどの場所で、とても遠かったが
天候もよく1人でFMを聞き運転しながら見慣れない街 普段いかない場所に
こうしてたまに車で出かけるのも新鮮なものだ。
昨日までは遠さが辛そうだと思ったが、ドライブ気分で悪くない。

1本道の渋滞に巻き込まれながらようやく夕方到着すると、
メル友は暑がりの俺のために部屋のクーラーを入れてくれていた。
PCを見てみると新たにパーツが必要なことがわかって、
俺はメル友と車で隣駅にあるというショッピングビルの中にある家電に出かけた。
その子と2人でビルの中を歩きながら、
自分は最近、全然女の子とデートしてないなとふと思った。

帰りの車の中で、ふと引越しの話題になり、そのときは高校の時の友達が
田舎まで来てくれて手伝ってくれた話をしたら
その子が俺にそれは○○は優しいからだよ。
○○は優しい ○○は優しすぎるよと言った。

俺はブログではその子は話はつまらないし合わないとか、
正直、よくないことをレスしているしその子に対しては特別に優しくはないと思う。
俺はただ困っている人を親切にしただけに過ぎない。

ただ、そこまで優しいと評価された発言で、
大人になって素直に感情を表現することがなくなった自分をまた感じた。
俺にとっては知り合いであるメル友は、本当に気を許す男同士ではないし
あくまでも外の人だから、知らず知らずのうちにそういう無難な距離や
俺が無難な人間として遠慮して接していたのだろう。
構えていたというか
結局、俺は最後までこの子に対して表面上は楽しく無駄話をしているだけで
心を開けなかった気がした。

無事にPCの設定が全て完了し、色々PCの操作を一通りレクチャーし終わって
さあ帰ろうと思ったら、お礼にとピンクの包み紙に入ったお土産をもらった。
なんか悪い気がしたが、これでココに来るのもこの子に会うのも最後だし
PCに関する全てが無事に終わったことで、
ひと仕事やり終えたような心地よい満足感があった。

家に帰ってスーパーサッカーを見ながら包み紙を開くと
腰に負担がかからないクッションだった。
俺が自分の部屋に椅子はなく、ジュータンにすわって生活していると言った
その何気ない会話の一言を覚えていてくれていたみたいだった。
本当に他人に優しい人は、その子の方だったんだろうな。
俺は後輩の得点シーンを見ながら思った。
by masa3406 | 2007-06-26 08:41


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